大喜利のソワレ

七草理音

崇納さま企画「大喜利で気分も国語力も上げるの巻」

 次の「」の中の言葉を使い、例文を作成しなさい。

 そのとき、ユニークさを優先させること。




①「意気揚々いきようようと」(意味:得意げに振る舞う様子)


・――意気揚々といざ学祭へ――だがまずもって食中毒には気をつけよ(受け手も送り手も)。たこ焼きやクレープには欠かさずにナムナム(果てしない憧憬どうけいをバックに千手観音せんじゅかんのんさせていただきます……)。


②「いつものやつ」(意味:互いの間で何度も見知っているもの(頻繁に注文する品など)を指す言葉)


・【いつものやつ】暗い欲望におぼれているとみえても、猫らにとってマタタビはこの程度の認識だ(冷笑を送り合う対等な関係性がいいよね!)。


③「おべんちゃら」(意味:口先だけのお世辞)


・「おべんちゃら」(意味:太鼓たいこ持ちの部下たちが発する特有のフェロモン。あるいはかれらを引き連れて食すホルモン焼きよりしたたる脳内物質)


④「ひっきりなしに」(意味:とぎれることなく次々に起こること)


・「ひっきりなしに爪とぎをする我がいる。だからこそこの部屋は破壊をまぬがれている」これは驚愕きょうがくすべき猫の理屈だ。だが君はこの理屈を呑み込まなくてはならない。子猫とて毛玉を吐くとなれば、みな怪物のようにうめくのだから。


⑤「思いがけず」(意味:予想していなかったのにも関わらず)


・毎日毎日、思いがけず道で拾った小銭こぜにでたっぷり二時間コイントスして遊んでいるが、とにかく俺には時間がない(注釈ちゅうしゃく.すべて裏でも表でも)。「君もそうだろ? 我が同胞どうほう?(ハグのような笑顔で)(ねっとりと)(同意を得るまで)」 


⑥「煮えくり返る」(意味:さかんに沸騰している、あるいは非常に腹が立っている)


・煮えくり返るおのれに酔う自分自身を認めこれを愛すること(優雅に)。ドッペルゲンガーとのしりとりに酔いれ(ヘイヘイ!)、ヤバき合成獣と化してしまえば(どひゃあ~……)、四面楚歌しめんそか謳歌おうかは必至だと認めこれを愛すること(四分六しぶろくで優雅に)。


⑦「釈然しゃくぜんとしない」(意味:もやもやが残って、心がすっきりしない様子)


・釈然としない獅子舞ししまいが夜の優しい孤独をすり抜けて、朝の光を浴びてまた元の白骨はっこつかえる。いつもそうだ。答えを手にした瞬間、それが別の問いに解けてしまう。でも、どうしてこんなに楽しいんだろう。釈然としない人生が、釈然としない毎日が、釈然としない今日が、釈然としない明日が。釈然としない、今この瞬間が。


⑧「押っ取り刀で」(意味:急いで駆けつけること)


周りの目があるので、即座に立ち上がり、押っ取り刀で虚空こくうを居合斬りし(意味もなく)、血を払う真似をしてみせ(意味もなく)、またその場に座り直さねばならんのだ!(意味もなく) それもこれ見よがしに意味ありげな顔をしてだ!(何の意味もなく!)

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