第2話 推しメンを決めよう
彼氏「まず君には推しメンを決めてもらおうかな」
私「それって大事なの?」
彼氏「大事に決まっているだろ。いるといないじゃ、天と地の差だよ。それに君だってあだち充や高橋留美子を推してるだろ、それと同じさ」
※私(作者)は漫画家のあだち充&高橋留美子の大ファンである。
彼氏「じゃあ、これを見て欲しいんだけど」
そう言うと、彼氏は1冊のファイルを取り出し、広げて見せてきた。
彼氏「これには現役メンバーの生写真が入っているんだ」
私「なるほど、ここから選べば良いんだね?」
彼氏「察しが早くて助かるよ。ただし適当に選んではいけないよ。その子と心中する覚悟で決めてくれ」
私「なんか重くない?」
彼氏「そのくらい、じっくり考えて欲しいというわけさ」
私はファイルを受け取ると、1枚1枚じっくりと生写真を見ていく。乃木坂46が王道アイドルと呼ばれているのが分かるくらい、彼女たちの顔面偏差値は高く、私は思わず深い溜息を吐いた。
彼氏「どうかした?」
私「私、この子たちには勝てない気がして……」
彼氏「ん、どういうこと?」
私「○○(彼氏の名前)はこの子たちを応援しているでしょ。でも交際しているのは私なわけで。何だか彼女として自信が無くなるというか、申し訳ないというか……」
推しが2次元ならまだ心に余裕を持てたのかもしれないが、相手は私と同じ3次元の子たちだ。それも私より10も20も若い。そんなことが頭に過ると、居ても立っても居られなかった。
彼氏「僕より賢いのに、そんなことを考えるなんて。いいかい。僕は確かに彼女たちを好きで推しているよ。それは紛れもない事実だ。だけどね、これはあくまで趣味なんだ。僕は彼女たちの幸せを願っているが、最終的に僕が幸せにしたいのは君だけだよ」
私「本当?」
彼氏「あぁ、もちろん!」
私「ごめん、変なこと言って。ちょっと見直したというか、惚れ直した」
彼氏「僕も偶にはカッコいいところを見せないとね」
♢♢♢
彼氏「さてと、そろそろ決まったかな?」
私「3人までは絞れたんだけど」
彼氏「いいよいいよ、1人だけ選ぶなんて元々不可能だからね。教えてくれるかい」
私「まず
私が3人の名前を挙げると、感心したように「おぉ~、そうくるか~」と話す彼氏。
私「えっと、何かマズかった?」
彼氏「いやいや、大丈夫。ただ驚いただけだから。君が挙げた3人は、全員6期生なんだよ」
私「そうなの?」
彼氏「うん。ちなみに現在の乃木坂は上が3期生からで、下が6期生になります」
私「つまり私は一番後輩ちゃんを選んだってこと?」
彼氏「その通り! いやはや、これもまた運命のような気がするね。よし、これで推しメンが決まったから、君が観る番組を教えよう」
私「えっ?」
彼氏「まずは乃木中の6期生紹介回とスポーツ女王回は必須だね。これはYouTubeで公式が上げてくれているから大丈夫。それとスタ誕も僕がダビングしたディスクを貸してあげるよ」
私「ちょっと待って。乃木中とスタ誕って、何?」
彼氏「『乃木坂工事中』と『乃木坂スター誕生!SIX』はどちらも乃木坂の冠番組だよ。彼女たちを知るには、視聴必須の番組だね。それに後者なんて6期生メインだから、君にはピッタリだよ」
私「へぇ……」
彼氏「それから、3人が載っている雑誌も貸すからさ」
どこか満足気な彼氏の姿を見て、また私は1つ、盛大に溜息を吐くのだった。
彼氏「あっ、メンバーのブログもチェックは忘れずに!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます