DAY2 風鈴

 ちりんちりんと光を放ちながら、風鈴売りが今日もやってくる。


「ふうりーん、ふうりーん」

「はいじゃあ、ひとつ貰おうかな」

「毎度ありぃ」


 風鈴売りは赤い風鈴を手に取ると、ロックを器用に開けてエアポケットにしまった。代金は風鈴売りの口座に後で払うことになっている。流星のようにスペースバイクで駆け抜けていく風鈴売りを窓から眺めて、私は風鈴をエアポケットから取り出した。


 コロニー内の空気の流れを受けて、風鈴がちりんと鳴った。

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