第3話 みんなちゃんと変身、僕は勝手に変身

「くだもの、ちゅんちゅん、のぬのも、ちゅんちゅん」


「ルーパートは、魔獣姿での食事だけは、どんどん上手になるわね」


「飲み物の飲み方が、とても綺麗だ」


「いや、果物を食べる方が、飲むより上手だろう」


「いや、飲み物の方だ」


「だから、果物を食べる方だって……」


「2人共、やめなさい!! 食事中ですよ」


「お前のせいで、先程から注意されてばかりだ」


「あ? 兄さんのせいだろう?」


「ママ、くだものおいち!!」


「そう、良かったわね」


 朝のご飯、そのままの姿のパパ達は、スープとハムとサラダと、それからパンにジュース。僕は黄色小鳥さんだから、食べやすい果物とジュース。お家のご飯はとっても美味しいから、本当はパパ達と同じご飯が食べたかったけど、でも果物もジュースも美味しいから大丈夫。


 何で僕だけ小鳥なのか。えっとねぇ、僕は魔獣さんに変身できるんだ。僕だけじゃないよ。パパとお兄ちゃん達も変身できるの。でもママは変身できません。


 えっと、パパのお名前はヴィクトル・クラウゼル。ママのお名前はマリアベル・クラウゼル。

 1番のお兄ちゃんのお名前はレオンハルト・クラウゼルで、2番目のお兄ちゃんのお名前がエリオット・クラウゼルです。えっと最初に僕のことをポケットに入れたのが、レオンハルトお兄ちゃんね。


 そして僕は、ルーパート・クラウゼル、2歳です!! もうすぐ3歳。後2、3……、5日で3歳!!


 あのね、僕のお家に生まれると、みんな魔獣に変身できるようになるんだ。魔獣は動物に似ている生き物だよ。なんかねぇ、僕の家族だけ変身できるんだって。ママが変身できないのは、お家で生まれたんじゃないからなの。


 他のお家の人達も変身できないんだよ。お家で生まれた僕達だけができる、特別な魔法なんだ。


 僕ね、変身大好きです。どんな魔獣さんにも変身できるから。でも、まだ自分で変身できません。寝てたり、遊んでたり、いつでもどこでも、急に変身しちゃうの。だから今日も朝起きたら、黄色小鳥さんに変身しちゃってたんだ。


 パパ達はいつでも好きな時に、好きな魔獣に変身できるよ。ドラゴンさんとか、大きな魚魔獣さんとか、いろいろ!!


 それでいつでもすぐに、人の姿に戻れます。僕はそれもできないの。パパ達は自分の姿を考えると、パッ!! と一瞬で戻れるのに。


 あのね、僕が変身も、元に戻るのもできないのは、まだ小さいからなんだって。パパ達も小さい時はできなかったみたい。でも今度、3歳になったら、今よりも少しだけ上手にできるようになるかもしれないんだ。パパ達がそう言ってたの。だから僕、楽しみなんだぁ。


 僕ね、いつか神様の所に戻ったら、お父さんとお母さんに、見せてあげるんだよ。


 ……えっと、僕、パパ達が知らない、もう1つお名前があります。日向空です。それから大好きなパパとママ以外に、大好きなお父さんとお母さんがいるの。そしてパパ達の所へ生まれてくる前に、僕はお父さん達と一緒に、神様に会ったんだよ。

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