計画そしてアタシは天使と悪魔から応援される

 食事を終えたアタシたちは超ご満足♪

 お腹パンパン! すっごく美味しかった!

 お肉もお魚も、デザートも♡ はぁぁぁ、満足感半端なかぁ~♡


 食休みをした後、また大浴場で食べた汚れも落として♪

 そんで、フロアの休憩所に、全員集合!


 明日からの予定を、しっかりと組んで、満喫しようってことで、打ち合わせを始めたのだ。


 手元のタブレット端末と連動した、大型のスクリーンが、休憩室に備え付けてあり、大きな画面で、ちちぷい島の名所の説明が確認できる。


 すごい技術ね! アタシらの時代には、もう無いんやけど……


「改めて、各施設を確認すると……すごいわね」


 ほんと、色んな施設にアクティビティがあって、全部楽しむのは無理ね……ああ、2週間は滞在したい……けど公務もあるしねぇ。


 一応、ここは異世界だけれども、現実と時空系はリンクしているらしい。

 ここで過ごした時間の分、アタシたちの時代の時間も進んでいく。

 パラレル化を防ぐためらしい。いろいろと分からないワードが出てくるわねぇ、ホント。


「ビーチでの海水浴は外せないし、ゴルフ? なんぞこれ? それに、海中散歩のアクティビティ! へぇ~それに水族館や、アウトドアキャンプ施設にグランピング? なんか、すごそうなのばっかやん!」


 画面に映る資料を眺めながら、アタシはメモを取っていると、葵から声が上がる。


「あ、お姉ちゃん。メモ取らなくても、手元の端末にデータ送信するけん、すぐ確認できるばい♪」


 すると葵は、手元の端末を操作して……ん? アタシの端末がピコン♪ って鳴った……!


 端末の画面に、お知らせのメッセージが輝いていて、そこをタップすると……!

 知りたかった情報が、そこに載ってある! すごい技術だわホント!


「すっご! 葵、これ使いこなせてるやん! やっる~☆」


「こういう機械は、葵の得意分野ですわね♪」


 さっすが♪ 超古代の遺跡でも大活躍した、葵の機械操作能力。

 ここの機械も使いこなせてる♪ すごい妹だわ♪


「海水浴場は……ちちぷいビーチっていうのね♪ これは外せないわね? 明日は海水浴は確定で行く?」


 ミントが提案する。もちろんこれは、全員一致で♪


「「「「異議なし☆」」」」


 さて♪ 明日の予定はすぐに決まった☆ 次はどうしようかしらねぇ?

 すると、まほが手を上げて、真剣な表情で提案してくれた。


「あと、スキューバーダイビングです? 海の中を泳いだり、歩いたりしてみたいけど」


「「「「異議なし☆」」」」


 もち! やるってことで全員一致♪


「それなら早速、スキューバダイビングの予約を確保しておくぞ?」


 お♪ ラーヴィ、仕事早い♡

 すると、次は葵が、椿咲と話し合ってから、二人で提案してくれる♪


「一泊くらい、キャンプ場で自然満喫しながら6人で過ごしたいけどどう?」


「「「「異議なし~☆ キャンプしたことないから楽しみ~♪」」」」


 普段している野営とは違うもんね。キャンプするっちことやけん♪ それも楽しみだわ♪

 すると、資料を眺めながら、ラーヴィからも提案が上がる。


「どうする? グランピング施設もあるようだが?」


「ちっちっちっちぃ~☆ にぃに、あまいばい?」


 葵は人差し指を口元でフリフリする。可愛い♡


「そういえば、設備は整っているし、こっちの方が楽じゃない?」


 ミントからも。んまぁ、確かに。いろいろ揃えるよりは、既に揃ってた方が楽ではあるわね?


「わたくしたちの世界では、害魔獣に、こうした自然豊かでゆっくりすごせる機会もあまりありません。なので、あえて♪ 全部手作りで楽しめたらどうかしら?」


 なるへそ、一理あるわね♪ アタシとまほ、そしてラーヴィとミントは、笑顔で頷く。


「わかったわ♪ アタシも、アナタたちの提案に賛成♪ それでやっちゃお♪」


「わかった。それじゃキャンプのスペースも予約しておくぞ?」


 んふ♡ もう、明日からが楽しみ♪

 観光にグルメ、そして、アタシたちは色々とスケジュールを詰め込む。


 そうしているうちに、既に時計の針が11時を回っている。


「それじゃ、各自寝ましょうか? もう11時回ったことだし♪」


 明日に備えて早く寝なきゃ♪ 美容にも良くないしね。

 アタシの合図で、各自部屋に戻ることに。


「おやすみ~♪ また明日ね♪」


 お休みの挨拶をしてから部屋のドアを閉める。


* * * *


 時計は12時を回った。部屋の明かりはすでに消えていて、快適な空間が静かに眠りに誘うはず……

 ……けれどアタシは、楽しみすぎて目が冴えてしまっていた。全然眠れない!


 「早く寝なきゃ〜」と思えば思うほど、逆に眠れなくなる……!


 アタシは布団をめくって上半身を起こす。子供のころ、遠足の前日に興奮して眠れなかったのを思い出す。


 ……ふむ。


 窓から見える夜の海は、とても深く、美しい闇色をしていた。でも、怖さはまったく感じない。


 闇の中にも、美しさがある。そこには、真理と正義がある――


 アタシはそっと部屋を出て、テラスへ向かった。夜風が肌に心地よくて、思わず微笑んでしまう。


 改めて、窓越しではない、夜の海の美しさ……さざ波の音……

 とても美しい。癒される……


 「ふふ♪ 今頃、パパやルミィアたちはどうしてるかしら?」


 こんな素敵な場所に来させてくれて……ちょっと申し訳ない気もする。ん?


 テラスから見下ろした砂浜には、人影がまばらにあるだけ。


 カップル……かな? いいなぁ~、二人きりの夜のデート……♪


 みんなで決めたルールだけど、アタシだってラーヴィと、あんなふうにいちゃいちゃしたいなぁ……


 ん? そういえばラーヴィ、今何してるんやろ?


 そう思った瞬間、大浴場のほうから「ちゃぷん」と水音が聞こえた。


 え? 誰かがお風呂に入った? もう何度も入ったのに、誰だろう……?


 ……大浴場を使ったのは、女子5人だけよね?


 気になったアタシは、大浴場へ向かうことにした。


* * * *


 浴衣姿のまま大浴場の入口まで来ると、見慣れた執事服が丁寧に畳まれ、籠に入っていた。


 今、お風呂に入ってるのは彼……?

 ふふ♪ 今日も色々と頑張ってくれてたし、ゆっくりしてほしいよね?


 邪魔しちゃ悪い……そう、邪魔しちゃ……ぅ♡


 ……でも、二人きりになれるチャンスじゃん? これって! しかし!


抜け駆けしない』


 そうそう、抜け駆けは禁止。みんなで約束したんだから。


 ……と思ったその時、アタシの中にいる《悪魔》が脳裏に現れた!


『日付、変わったんやし。行っちゃいな!』


 欲望が、私の背中をそっと押してくる……たしかに、もう日付は変わったし。

 今なら、彼と一緒にいられるかもしれない……


 でも、そこに、《天使》も現れた!


 良心の声……やっぱりダメよね? 約束を破るのは良くない。きっと、そういうことなんだよね?


 ……なのに、天使は右手でサムズアップしてきた。


『今がチャンス!』


 ……よし、行こう。天使も悪魔も、アタシの味方だってことよね!


 意を決して浴衣を脱ぎ捨て、大浴場へ向かった。

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