前世と今世で縁談破棄100回目今度こそスローライフを送りたい王女は、逃げるのです

福上大樹

二度目の人生も…

私は、シバリール王国第一王女エミリー・グランド・シバリールです。

今は、ということなので前世の記憶があるのです。前世は、弐漢帝国にかんていこくの第一皇女だったのです。その中でどちらにも共通することがあるのです。それは、立場が偉いことと、絶世の美女だったということです。立場が偉くて、美女だったということは、縁談や婚姻の話が多かったのです。今現在もたくさんの縁談をいただきます。とてもうれしくはないんですよね。本来私は、のんびり過ごしたかったんですよね。俗にいうスローライフというらしい生活がしたかったのに。

そしてこの前、隣の聖公国の公爵から前世、今世通算100回目の縁談が来ました。もちろん破棄させていただいたのですけれど、私は考えました、もう疲れたな、王宮から抜け出せば婚約の話など来ないのではないか?と、名案だと思いました。そうなれば私はすぐ行動しなければと思ったのです。私は、行動が早いのが取り柄なので。

すぐに、侍女を呼び出して、平民の服を用意させました。少し怪しまれましたが、私の言い訳は完璧だったので大丈夫でしょう!それでは、みんなが寝ている間に着替えて抜け出してしまいましょう。私の部屋は二階なので、結構高いのです。淵に立つとその高さがよくわかります。さすがにヒールなので飛び降りることはかないません、なので、靴を最初に落として、ほとんど着たこともない服を結んで、窓から落としました、それを伝って、降りて急いで出ます。門番がいましたが、お父様からいただいたお小遣いを使って通してもらいました。王女の権力を使うのもこれが最後でしょう。

お城を抜け出して、城下町の大通りを走っていきます。お城の窓からしかみたことなかった城下町の光景が新鮮でとても美しい。王女として、世間一般には、美しいといわれている絵画などを鑑賞したりしていたのですが、そのどれよりも私の目には美しく映ったのです。

さて勢いに任せて出てきたはいいのですが、何の下準備もせずに出てきたのでどうすればいいのでしょうか。今は夜なので、民家に立ち入っても迷惑になってしまうでしょう。悩んだ末に出したのが、じゃあ城下町からも出てみよう。と、今思えば血迷いすぎる選択だったのです。

〈王国サイド〉

私は、この王国の第一王女の侍女です。

王女様とはなんだかんだ15年ぐらいの付き合いとなります。初めて会ったのが私が5歳、王女様が3歳程度の頃でした。最初は友達のようにシーちゃんと言って接していきましたが、私の親であり、侍女長の母親が、そろそろあなたも立場をわきまえなさいと言ったので、12歳ぐらいの時にはもう今のような主従関係ができていました。シーちゃんじゃなくて、エミリー様は悲しそうな顔をしながら分かってくれました。

そんなある日、エミリー様が、「庶民の服を用意して。抜けだエッフエッフ…庶民の気持ちを味わいたいから」と言ってきました。絶対何か企んでると、15年の付き合いが言っていましたが、立場をわきまえるということを忘れずに、ちょっといい庶民の服を渡しました。その次の朝、王女様がいなくなってしまいました。一応侍女頭である母に連絡し、今はいない親友を追いかけて、私は退職届を出しました。待っててねシーちゃんもうすぐ追いつくから。私は、シーちゃんを一人にさせないために私は一人旅に出る。

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