観察者ガマル

クールペンギン

第1話 その"眼"からは…逃れられない……

 探偵には…謎を解く為の…

 最初の段階での…

 特殊な"眼"や"耳"がある……。


 物事を…観察する、眼だったり…

 ひとのちょっとした…

 表情の変化などを感じ取る、耳だったり……。



 龍王学園、東校舎の、1階の、

 下校時間を過ぎた3ーCの教室には…

 龍王学園に通う、

 高校3年生の男子ーー明一(めいいち)が、

 自分の席に着いて…


 探偵事務所に就職するか…

 どこにも属さず、

 自分だけで…探偵としてやっていくか…

 の進路で悩んでいた……。


 すると、そこに…

 いつも、休み時間などに、

 明一にちょっかいをだしてくる

 同級生の3ーAの女子高生ーー鏡未(かがみ)が…

 明一の教室に、入って来た……。


「明一……。本気で探偵に…なる気なの…?」

 鏡未の問いかけに、明一は何も言わない。


「……。わたしと、つきあいなさいよ」

 色仕掛けの仕草も一緒についた…鏡未の告白に…明一は、やっとの思いで口を開いた……。

「鏡未ちん。あんたは、いつもオレに告白をしてくるけど……毎回そんなにオレに対して色仕掛けもしてくるなんて……本当は…オレとつきあいたいだけではなくて……オレと…結婚したいのか?」

「!? よくわかったわね…明一……。でも…どうして、そう……わたしがあなたとの結婚を考えているって…わかったのよ……?」

「それはだな……」

 明一は、静かに自分の推理を明かした……。

「オレが女性を観察して、分析して、推理してきた結果…女性が特定のひとに、色仕掛けをしてくるのは…何も…性欲からなだけじゃない…という事が解ったからだ……」

「それは…どうして、わかったの…?」

 明一は答える。

「オレは…あんたの告白には…基本相手をしていないのに…あんたはオレに…しつこく「わたしと、つきあいなさいよ」…と毎回めげずに…色仕掛けも含めて…オレに言い寄ってくるからな……。だから…オレに相手をされてないんだから…性欲を解消できないだろ? という事は…本当の目的は、性欲ではないという事になる。他に恋愛での理由を考えたとしたら……結婚かな…と…」

「相変わらずあなたは…思った事をズバズバ言うわね……。デリカシーがないわよ。女の娘に対して…あんな事を言うなんて……」

「そうか……」

 明一は…頭をかいた……。

「でも…明一……。それだと…結婚じゃなくって…つきあうだけでも…いいんじゃないの…? わたしはあなたに…「わたしと、つきあいなさいよ」…って、言っているんだから……」

「そうだな……。だけど…女のひとは…夢みる少女…なんだろ?」

「……ええ……」

「だから…現実的に…結婚まで考えているのかな…と……。あと…照れ隠し…か……」

 明一の推理が、一通り終えると……鏡未は感心して言った……。

「さすが、わたしが惚れた男だけの事が、あるわね……。その観察力と推理力……。伊達に探偵になりたいと…言っているわけでは…ないわね……」

 明一は、鏡未に褒められて、はにかみながら…こう言った……。

「そりゃ、どうも」



 このように…明一とは…

 ちょっとした情報から…

 物事の真実を導きだす事に…

 特化した能力に長けている……。


 そう…

 推理するのに必要な……

 特殊な”眼”などを身に付けて……。

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