モルック最強チーム誕生!?

「おい、見ろよ!賞金十万円だってよ!」

商店街の広場で立ち止まり、ポスターを指差す公太の目が輝く。


《モルック大会 優勝賞金10万円》


「モルック?」唯我が首をかしげる。「棒を投げて木のピンを倒す競技だな。だが……俺は剣術の修行を——」

「金!だぞ!? 十万あったら、焼肉食い放題だろ!」

公太の叫びに、一祟も興味を示した。

「モルック……聞いたことありませんが、ルールは?」

「簡単だ! あの棒を投げて、ピンを倒して50点ピッタリ取ったら勝ち!」

公太が豪快に説明し、強引に参加を決定。




予選開始


「おりゃあああ!」

公太が全力で棒を投げ、ピンが豪快に吹き飛ぶ。だが、得点は超過し減点。

「バカ、力任せじゃダメだ!」唯我が冷静に指摘し、スッと投げると、狙ったピンだけを正確に倒す。

「おお……すげぇ!」

「これは集中力と精密さの勝負ですね……」一祟も負けじと分析し、最適な角度と回転を計算して投げる。


戦闘で鍛えたコントロールと集中力が功を奏し、三人は次々と勝ち進む。




決勝戦


相手は前年度優勝チーム《ノースウィンド》。実力も経験も段違いだ。

「最後の一投で……ピッタリ50にできるかどうかだ」唯我が呟く。

「任せろ!」公太が棒を握る。「この一撃に、灼獄の魂を込める!」

「いや、そんな技いらねぇから!」唯我が即ツッコミ。


公太が全身のバネを使って放った一投は……一直線に目標のピンへ!

「……入ったァァァ!!!」

歓声と同時にスコアボードには《50》の数字。優勝だ。




「やったな!」

「これで焼肉食べ放題だ!」公太がガッツポーズ。

「いや、修行に戻るぞ」唯我が真顔で返す。

「……でも、楽しかったですね」一祟が笑った。


三人は賞金を手に、次なる戦いへ、ではなく、焼肉屋へと向かった。




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