第2話 バステトと言う名の神様
太陽神ラーの奇跡を顕現させる筈が、何故か猫神のバステト神が現れてしまった
って事は、聖櫃に納められていたあの干乾びたミイラは、ひょっとしてバステト様だったのだろうか ?
ナイル河に浸り復活したって言うの ?
まさかね …… カップ麺だってお湯が必要なのよ
この時代にカップ麺無いけど
「
「え …… クレオパトラ」
「うむ、助かったぞクレオ ♡ 世話に為った礼だ、もっと食べるが良い」
バステトはご機嫌でワニの肉を押し付けて来る
それは良いけど、何故ラーの聖櫃からバステト様が出て来たのか理解出来ない
もしかして奴隷達が間違えたのだろうか ?
「うん ?ラーの聖櫃に何故、妾が入って居たのか不思議かえ ?」
どうやらバステト様は、私の考える事も見透せる様だ
そもそも神様のミイラなんて初めて聞いたわ
「うむ、そこな!実はこの身体は妾の本体では無いのだ … 神が宿る為の容れ物に過ぎん」
「容れ物 …… でございますか ?」
「そうだ、この身体は生きては居るが、肉体では無いのだ。炭素ベースで造られては居るがの」
「はあ …… ?」
説明はチンプンカンプンだが、言われて見ればワニの鋭い牙が並ぶ口をこじ開けてたにも関わらず、手には傷一つ無い
「バステロイドと言う代物でな、妾の魂を封じ込める目的でラーの奴が拵えた …… まったく、忌々しい事じゃ」
と言う事は、バステト様は太陽神ラーに依って3,000年間封印されていた事になる
そして、私がその封印を解いてしまった、と?
神が封印されるなんて、一体何を仕出かしたのだろう ?
「恐れながら、何故封印されていたので御座いますか ?お聞かせ願いませんでしょうか」
「うむ、暇ならば語ってやっても良いのだが、アレはそなたの迎えでは無いのか ?」
バステト様が指し示す方向に、松明を掲げた兵士達の姿が見える
あれは間違いなく弟、プトレマイオス13世の差し向けた追手の兵士だ
私が焦りの表情を浮かべると、バステト様は立ち上がり私の肩に手を置く
「なんだ、違うのか。妾に任せるが良い」
そう言うと、顔を近付け不意に口付けを交わして来た
「ふえっ!?な、何を …… 」
バステト様はそれには答えず、兵士達の方へと歩いて行く
「お迎えにしては随分と物々しいのう、全員武装しておるではないか ♪」
バステト様は何故か楽しそうな笑みを浮かべながら兵士達へ近付いて行く
いけない、彼等は私を捕らえる目的で派遣されているから、邪魔者は排除される
「誰か居るぞ!」「王女か ?」
「おい、女!この辺りでお前以外に女を見なかったか?」
誰何する兵士の足下に、奴隷の物と思われる死体が幾つも転がっていた
「うん ?何だ貴様、その妙な頭は …… ?」
「やれやれ、3,000年も経つと神の有難みも失せてしまうのかのぅ …… 嘆かわしい」
「我々は王の勅命を受けて動いている!隠し立てするならーーー」
シャキンッッ!
バステト様の両手の爪が50cm程伸びたと思ったら、居並ぶ兵士達3人の首が宙を舞った
「抵抗するかっ!?」
「構うな、殺せ!!」
十数名の兵士達がバステト様目掛けて殺到するが、放たれた矢は落とされ、投げられた投網は切り裂かれ、突き出された槍はバラバラに切り刻まれた
ほんの瞬きする間に、全員の首が宙を舞い、当たり一面に血の雨を降らせる
「愚か者が、神に敵うとでも思うたか」
凄い ……
余りにも人間離れした動き
と言うか、人間では無かったんだ
考えてみれば素手でナイルワニに勝てるんだから、人間の兵士の十数人など相手にも為らない
「さてクレオよ、悩みが有るなら聞いてやるぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます