二人静
Rie
—ふれて、寂しさまで、愛して―
---
しん、しん――
静けさが 夜を抱く
わたしは あなたの呼吸を見つめてる
ふたりきり、ですね
そう言われた瞬間から
この部屋は 戻れぬ気持ちを 閉じこめる結界
くちづけより
熱いものが 喉にのぼって
飲み込むたび 愛のふりをしてしまう
だめですよ、
名前を呼んでは
それは 誰かの世界に 繋がってしまうから
ふわり、ふわり
畳の匂いにまぎれて
わたしは あなたのものになってゆく
いまだけは
「ふたりきり」という
やさしい嘘の中に 棲まわせてください
ほんとうは――
ひとりきり、であることに
気づかないふりを していたいのです
---
二人静 Rie @riyeandtea
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます