第8話:最初の休憩時間

後ろの座席の「チカチカ」に声をかけられた。正洋は地元の同じ小学校だった。6年の年月の中で何度か同じクラスになったと記憶している。昔から容貌に羨望があつまる女子で取り巻きのような特に記憶にも残らない仲間が周囲にいたはずだ。グループもあったし、特にはなしたことはない。そんな「チカチカ」が今後ろの座席で声をかけてきた。すこし上気する、やはり「チカチカ」は近くで見ても美少女にみえる。しかし、クラス内の抑えられているかのようなざわめきの声にも注意がむく、欲情をおぼえるかのような美しい声や、目の端には「チカチカ」に負けない容貌の女子が映る。


チカチカ「なんか、いないね。小学のひとたち」


正洋は応える


まーこ「ああ、うん、そこねやっぱりそう思う」


チカチカ「うん、普段周りにいた子いないんだけど、今の子たちどこから来たんだろう」


まーこ「地元じゃないかも」


チカチカ「うーんそうかもね」


チカチカ「クラス分けも変、男3人なの?ていうか学校自体に男少ない気がする」


まーこ「うん、そうだね」


チカチカ「なんでだろ」


まーこ「説明あるかも」


まーこ「上級生どうなったんだろ」


チカチカ「男とか編入してんじゃない」


まーこ「顔見知りいる?」


チカチカ「あんまいない、男はいまのところマーコだけ」


まーこ「いやぁなんとかちかさん」


チカチカ「愛称でしょ。あ・い・しょ・う」


それで会話がおわった。正洋はクラス内をみる。伊達眼鏡はよそよそしく、あたりを一瞥している。緊張しているようにもみえる、ちゃんこはクラスにいない

菩薩は呆けているように見える。しかし口元がやや濡れているか、正洋は涎だと判断した。


正洋「ふーちゃん・ふー」


正洋は口慰めに、適当な事をぼそっと口にした、その他にはきこえてないはずだ。口慰めの意味不明な言葉は何パターンかある。


ちゃんこ「うひょ」


クラスに戻ってきた「ちゃんこ」が入ってくるなり、口にする。


正洋(やめろよ、気持ちはわかる)


クラスの女子はなんか慣れたような感じだ。正洋の見る限りでもチカチカにまけてない容貌のじょしだらけである。


正洋(そろそろか、次の授業、小便はまだいいか)


正洋の後方座席で「チカチカ」がみつめる。


チカチカ(だよね、やっぱりだよね。石坂君って多分そうだよね。うーん、欲しいなぁ)

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