第2話:生体発電評価用紙

正洋は開いたA4サイズの生体発電評価表をみている。左側には最初に 感情系生体発電 優しさ と表記されている。

その下には 特性 使命 と。さらにその下にはその評価が文章で記されていた。


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感情系生体発電:優しさ

特性:使命

補正値:判断力 A+  思考力:A+ 能動性:C 頭の回転:A 忍耐力:A+ 総合評価:A ++


特性は「使命」です。解析した結果、一度に数種類の、行動・習慣・思考に使命を感じ集中的にのめりこむようです。それは

目をみはる成果となる可能性がありますが、本人への負担は大きく。疲労の蓄積がありそうです。よく休みましょう。人生を楽しむことも忘れずに。


評価:感情系生体発電です。優しさです。本能的に意識的に他者に対して「優しさ」と評価される想いと行動をとるでしょう。希望的観測がやや強いです。

自身で後悔を胸に涙を流すこともあるかもしれません。男性としてはおおらかで真面目な人柄とおもわれるでしょう。精子の評価はしていません。


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用紙の右側は健康状態の評価だ。大むね良好、タンパク質がすこし足りないようだ。・


正洋の思考はすこし、ショックをうけていた。自身の評価として受け止めた内容が驚くものであったのだ。


正洋(優しさ、かぁ・・・いや、これは・・・ええ!そうなの)


隣の双子の兄に目を向ける。


正洋「寿洋、どうだった?」


寿洋「感情系 感激 だってよ。・うーん」


正洋「直樹は?」


直樹「楽しさ、見せないからな」


母はすこし困ったような顔して言う。


紀代子「純子は、ちょっと、これねえ」


純子「言わないで」


直樹「不屈の闘志、か。ナイスガッツ、だってよ」


純子「直樹見るな」


直樹「お母さんにあずけるけど、みせないでよ」


紀代子「そうだねぇ」


正洋「俺は別にいいけど・・みせても」


寿洋「ほーう、優しさですか。こりゃすごいですな」


直樹「次、みせて」


正洋はクラス分け用紙をみる。A4サイズの用紙だ。投稿日は明後日、クラスはA、登校してから愛称で呼ばれることが記載されている。

愛称は「まーこ」だった。


正洋「愛称でよぶってよ」


寿洋「何?」


正洋「まーこ」


寿洋「俺はとしこ、や」


直樹「俺は、なおぼう、かよ。名前なんてしってるよ、まわり、お、おれもクラス分けだ」


純子「あたしも。じゅんじゅん だっておかあさん」


紀代子「みんな、気を付けられ。へんなのとつきあわないようにね」


正洋はまだ本日届いた用紙を母にあずけていない。よく読み。反芻していた。そしてめぐる思い。


正洋(優しさ、か・・・)

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