あいあい傘
Rie
― 音の中だけ、ふたり ―
---
しと、しと……
この雨が 好きになれたのは
きっと あなたのせいです
傘の内側
寄せあう肩と肩
すれちがう ぬくもり
ちいさな世界に
ふたりだけの鼓動
わたしの方が はやい気がします
あなたが笑うたび
雨音も ゆるんで聞こえるの
ほんのすこしの 傾きで
わたしが濡れることなんて
たぶん あなたは気づいていない
でも、いいの
わたし あなたのとなりがいいの
ずっと 降っていればいい
ずっと 帰れなければいい
あいあいがさは
今日のわたしの たくらみだから
---
あいあい傘 Rie @riyeandtea
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます