桜は嫌いだ
@aiuchi-yu
季節と花と思い出
桜は嫌いだ
昔から 嫌いだった
すぐに散ってしまうから
桜が好きな彼女は それでもいいと 言っていた
病室の 冷たい床に伏せっている時も そう言っていた
桜は嫌いだ
桜の下を通る際 その感情がこみ上げた
すぐに 散ってしまうから
冬の寒さに打ちのめされた 彼女の小さな体は 桜の咲くころわずかに 力を取り戻した
桜を見ると元気が出ると 彼女は微笑みながら言った
彼女の看病をしながら 僕もつられて笑顔になった
病室の窓から見える満開の桜は 彼女の言うとおり きれいだった
少しだけ 僕も桜が好きになった
けれど――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます