第34話 我が家
兄 父さん、惑星移住は可能なの?
父 ( 全知全能の創造主 )
短期滞在なら可能だけど、
半年以上の長期滞在や移住は厳しいだろうね。
弟 その理由は?
父 重力、宇宙放射線、エネルギー供給、食糧の自給自足、水の確保等
これらの問題が大き過ぎる。
まず重力。惑星移住後に生まれた2世以降は、
生まれた状態からの継続なので適応力は高いだろう。
しかし母親は、移住先で出産するので命が危険だ。
ただし、移住先が地球と同等の重力なら、この問題は発生しない。
次に宇宙放射線だ。対処するには地下都市居住が現実的だ。
しかし、地下都市を作るまでは宇宙放射線を
浴び続けなければいけない。とても危険だ。
3つ目はエネルギーだ。
昼夜が有るため、太陽光発電は不安定だから
小型核融合炉発電が適している。
しかし、圧力容器等の製造、設置が問題だ。
4つ目は食料の自給自足だ。これは移住する人数によるね。
人数が多くなるほど、大規模な施設が必要だ。
5つ目は飲料水の確保だ。
いくら尿から飲料水を再生できるとしても、100%の回収は無理だ。
加えて水を電気分解し、ロケット燃料を作るには、全く足りない。
このように移住先の劣悪環境と、地球を比べたら
地球が人類にとって最適な環境と知るだろう。
その星で生まれた生物は、その星で生きる事に特化している。
だから母星を出て、他の星に移住するのは難しいのだ。
しかし地球人は、毎日、毎秒、地球環境を汚し、破壊し続けているのだよ。
こんなに素晴らしい「我が家」が与えられているというのに、
本当に哀れな種族だ。
兄弟 悲しくなるね。
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