出会った後の話

色彩野

第1話

「……だったから…って、聞いているのカ?夜陰クン」

「は、はい!もちは美味しいって話でしたよね!」

 ハカセは大きなため息をついて言った

「違う!それは数時間も前の話ダぞ。何時まで考えてるつもりダ?私が言ったのハ目羽クンの角や羽の事についてダ」

(ああ、いつもここからがとても長い…。でも、本当に目羽ちゃんは大丈夫なのかな、良くなるといいけど……)

「ってまた君!!何度言えばわかるんダ!しっかり話を聞ケ!!」

「すいません……ところで、目羽ちゃんは本当に良くなるんでしょうか…?」

「だから、良くなると言ってるだろう、このワタシだぞ」

(自慢気に言うもんだな……)

 と僕は少し呆れた

「茶番はここまでにして、そろそろ本題に入るぞ」

 そう言いハカセは資料を手渡した

「目羽ちゃんは今、色んな動物に少しずつ乗っとられてるんですよね……体質なのかな、食べても食べても、栄養が角や羽に取られるなんて…僕だったらきっとすぐ倒れちゃいます…」

「体質もあるかもしれないガ、きっと引き取った親が悪魔だったというのモあるだろう。彼奴らは、基本小さな悪戯しかしないが、邪悪な者はとことん邪悪で頭もキレる。見世物にも出来るシ、世話も大変だから苦労しているト周りに思われたかったんだろう。しかも養子に出されたのがかなり小さい時だったみたいでナ。そのせいカ、かなり根を張ってるみたいダ。耳に関してはかなり傷が残るかもしれない」

 ハカセはさっきより大きなため息をつき、椅子から立ち上がり、寝室に向かう

「あれ、もう寝るんですか?いつもは良い案が浮かんだって朝まで考え込んでるのに…」

「はあ…?君は馬鹿なノカ?手術にはかなりの体力が要るんだぞ。時間もかなりかかるし繊細な作業になル。目羽クンもかなり弱ってるみたいだしナ。夜陰クンも、手術まで実験はなしにしてやるカラ、しっかり休んで備えておクように。」

 そう言い残し寝室へ転がり込む

(僕も早く寝よう…)

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出会った後の話 色彩野 @aoi1019aaaa

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