その頃のミレディーさん

マカロニサラダ

第1話 愛沢トト

     序章


 こうして――私は処刑された。


「は――っ?」


 意味が分からず、私は眼を開く。

 呼吸は乱れていて、何が何だか分からない。


 ただ、私は自分の命が失われた事だけは、自覚する。

 それは覆しようのない事実で、決定的な顛末だ。


 私は、死んだ。


 だが、こうして、誰かとして存在している。


 ――愛沢トトとして、私は今を生きているのだ。


 ベッドの上で天井を眺めているのが――愛沢トトという名の私だ。


 その矛盾が何を意味しているか理解しようとした時、私は突然声をかけられた。


「どうも――奥様」


「は――っ?」


 ここは、私の部屋だ。

 ならば、家族以外の人間が、この部屋に無断で入ってくる事はないだろう。


 だというのに、その声の主は、私の家族ではない。

 一体どういう事だと、私は身を起こす。


 制服姿の愛沢トトは、その少女と顔を合わせた。


「真仲……さん? 

 ……真仲、絆さん?」


 真仲――絆。


 亜麻色の長髪を背中に流す彼女は、私の学校の生徒で、級友の筈である。


 友達とは言えない人で、話した事も数える程だ。


 その真仲さんが、なぜ私の家に居る――?


 不法侵入したとしか思えない彼女は、正に犯罪者と言えるだろう。

 今直ぐスマホで警察を呼び、彼女をつき出すのが、人として正しい反応の筈。


 だが、私は眉を顰めた後、こう断言するしかなかった。


「……ケティ? 

 あなた……ケティ?」


 多分私以外の第三者がその呟きを聴けば、意味不明と言った顔になる筈。

 私の言動は、それ位突拍子もない物だ。


 だが、目の前の少女は困った様に笑う。


「はい――ケティです。

 前世で貴女の小間使いだった――ケティ」


「な、に?」


 自分で彼女の正体を看破したというのに、私は驚きを隠せない。

 いや。

 それ以前に、今ケティは何と言った?


「……前世? 

 つまり、あの出来事は……私の前世で起きた事? 

 やはり私は、あの時、処刑されたと言うの――?」


 私が疑問符を投げかけると、ケティはやはり困った様に微笑む。


「はい。

 奥様は二十数年の生涯に幕を閉じ、亡くなられました。

 それは間違いない事実で、歴史的にみて覆しようがない事です。

 ですが奥様は――今こうしてここにいらっしゃる」


「………」


 それこそ、大いなる矛盾だ。

 死んだ筈の私が、こうして生きているのだから。


 いや。

 これはそれ程、疑問に思う事ではなかった。


「つまり……転生? 

 私は愛沢トトとして――この体に転生した? 

 今日まで愛沢トトとして生きてきた私は、今、前世の記憶が蘇ったと言うの――?」


 普通に考えたらバカゲタ話なのだが、今の私はそう考えるしかない。

 目の前に居るのがケティで、日本の女子高生だと言うなら、そうなるだろう。


 私は今――転生して日本の女子高生になっている。


 その意味を実感した時、私は真なる己の名を呟く。


「この私が――このミレディー・ド・ウィンターが日本の女子高生? 

 そんな事が、ありえると――?」


 理解不能と言うしかない私は、やはり呆然とするだけだ。


 嘗て希代の悪女と呼ばれたミレディー・ド・ウィンターは――ただ愕然とした。


     1 愛沢トト


「………」


 というか、私は頭がいいので自分がミレディーだという事は、分かった。

 だが、なぜ私の部屋にケティが居るのかが、分からない。


 この不法侵入者は一体何様なのだと、私は眉を顰めた。


「そう、ね。

 なぜケティが、このタイミングでここに居るの? 

 アナタは一体、何?」


 というか、私は基本的な説明を疎かにしている。

 私程有名な悪女は居ないと自負しているが、それでも私を知らない人は居るかもしれないから。


 仮にその人物がミレディーという名を耳にしても、それこそ意味不明と思う筈。

 私としては説明不要だと思いたいが、私は嫌々ながら自分の素性を改めて想起した。


 前述通り、私ことミレディー・ド・ウィンターは悪女だ。

 それはもう、悪い事を沢山した。


 以上。


「……いえ。

 もう少し具体的に説明しましょうよ。

 それでは流石に、説明になっていません」


「は、い? 

 いえ。

 現代人は簡単に、物事をスマホで調べられるの。

〝ミレディー〟と検索すれば、造作もなく私が何者なのか知る事が出来るわ。

 だったら、別に事細かく私が何者なのか語る必要はないでしょう? 

 ぶっちゃけ面倒なのよ、そういうのって」


「………」


 私が鼻で笑うと、ケティは引きつった笑みを見せる。

 ケティが何を考えているか想像する事も出来ない私は、ただ眉を顰めた。


「……え? 

 奥様って、そういうキャラでしたっけ? 

 ド外道でド悪人ではありましたが、ある種の勤勉さはあった筈では? 

 寧ろ真面目過ぎたが故に、おかしな方向に行ってしまったのが奥様なのではないですか?」


「………」


 真面目過ぎたが為に、おかしな方向に向かった。

 確かに私は自分の心に、正直すぎたのかもしれない。


 その為なら労を惜しまず行動するのが、ミレディー・ド・ウィンターという女だ。


 それを真面目というなら、真面目なのだろう。

 現に私は窮地に陥りながらも、全ての任務を全うしている。


 某所に幽閉された時でさえ、しっかり己の仕事をやり遂げているのだ。


「そうですね。

 正に、無駄に勤勉と言うしかありません。

 あの場合自分の身の安全を確保するのが、最優先でしょう? 

 だというのに、ちゃっかりバッキンガム公を暗殺したのだから〝どういう事だよ?〟と思うばかりです」


「………」


 バッキンガム公。

〝三銃士〟を未読な人にとっては、また謎の名前が出てきたと思うばかりだろう。


 いえ。

 でも、詳しくは説明しないから。


 ネットで調べてくれというのが、私の正直な思いだ。

 だって、一々説明するのは、面倒くさい。


「だから、そういう所ですよ、奥様。

 何で奥様は、そんなに無責任なんです? 

 嘗ての奥様は、もっと真面目だった筈です。

 恥をかかされては、その人物に必ず復讐をする。

 任された仕事は、何があっても全うする。

 確かに奥様はド外道でド悪人でしたが、真面目な所は唯一の美点だったでしょう? 

 奥様はその唯一の美点さえも、放棄なさると言うのですか?」


「………」


 ……え? 

 私、今、思いっきり貶されている?


 嘗ての侍女に、バカにされているのが、愛沢トトだと言うの……?


「いえ。

 一寸落ち着こうか。

 さっきから人の事をド外道とかド悪人とか言っているけど、今は違うから。

 私は普通の女子高生として、今を生きているの。

 中世期の価値観を今も引き合いにだされても困る、というのが正直な所なのよ。

 大体私が悪女の論理を振りかざすなら、最悪の事態を招く事になるわ。

 幼稚園の頃に私のスカートをめくってきたケンちゃんさえ、復讐の対象になるの。

 でも今更ケンちゃんに復讐する事って、常識的な事かしら? 

 ケンちゃんだって幼稚園時の過ちを咎められて、復讐されるのは不本意でしょう? 

 私の美点は相手を苦しませずに殺す事だけど、それでもケンちゃんは死にたくない筈。

 ケンちゃんはケンちゃんで、楽しい人生を送りたい筈なの。

 漸くそう思える様になった私を、ケティは非難すると言うの?」


 私が正論を口にしたつもりになっていると、ケティは例の笑みを見せる。

 何を考えているのだろうと思っていると、ケティはこう問うてきた。


「それは、愛沢トトとしての人格が、奥様に影響しているという事? 

 今さっきまで完全な愛沢トトだった奥様は、その頃の考えが捨てきれていない?」


「いえ。

 捨てきるも何も、私は確かに愛沢トトなの。

 ミレディー・ド・ウィンターであると同時に、愛沢トトでもあるのが今の私なのよ。

 私の両親は阿保みたいに真面目だから、私に対する躾けも厳しかった。

 あろう事か愛沢トトはその事に反感を覚えず、素直に両親の意向に従ってきたわ。

 グレる事もなく、家出さえせずに、この家の環境に適応したの。

 現に私は――ケンちゃんに復讐していない」


 そう。

 自分を辱めた人間に対しては、必ず復讐するのが、このミレディーだ。


 そこに一切の例外はなく、復讐は私の生き甲斐と言っていい。

 

 その私がケンちゃんに復讐していないのだから、私は確かに愛沢トトでもあるのだ。

 愛沢トトとしての方向性が、ミレディーとしての私に影響を与えている。


 私は頭がいいので、瞬時にそこまで看破していた。


「……確かに奥様は頭がいいですけど、何度も強調する事ではないと思います。

 寧ろ本当に頭がいいなら、その事を無暗にひけらかさないのでは?」


「いえ。

 私って、頭がいいのは確かなの。

 その人物を見れば、大抵の事は見抜けるのが私だから。

 ただこの能力って、危機感が湧かないとうまく働かないのよね。

 現に私は、ダルタニャンの奸計を見抜けなかった」


 その辺りの事も、ネットで調べてほしい。

 とにかく前世の事は説明したがらないのが、愛沢トトだと思って頂きたい。


「ええ。

 そうだわ。

 私って、ダルタニャンと二時間もセック……」


「――いえ。

 待ちましょう、奥様。

 今は規制が厳しいので、そういう事をはっきり言うのはアウトです。

 というか、奥様ってダルタニャン様と二時間も、セック――」


「――いえ。

 待ちましょう、ケティ。

 今は規制が厳しいから、そういう事をはっきり言うのはアウトよ。

 私の前世の汚点を、これ以上話題にするべきではないわ」


 私が冷静にツッコむと、ケティは例の引きつった笑みを見せる。


「……最初にその話を振ったのは、奥様ですけどね。

 ですが私もダルタニャン様の話題とかされても困るので、ここは引き下がってさしあげます」


「………」


 何だ? 微妙に偉そうだぞ、ケティは。

 そう思う一方で、私は確かにケティが敬遠しそうな話題だと自覚していた。


 何せこのケティは、件のダルタニャンに恋をしていた。

 その恋心が私を裏切らせ、ダルタニャンに協力させる事になる。


 私の情報をダルタニャンに横流しして、ダルタニャンの工作に手を貸したのがケティだ。


 お陰で私はダルタニャンにはめられ、体さえ許している。

 私はたっぷり二時間もダルタニャンとセックス……いえ、何でもないっス。


「つまりケティも、ダルタニャンに裏切られたという事。

 あれだけの真似をしながら、〝三銃士〟の主人公だというのだから、ちゃんちゃらおかしいわね」


「いえ。

 最近の女子高生は口が裂けても〝ちゃんちゃら〟何て表現は使わないのでは?」


「いえ、いえ。

 私の両親は古風な感じだから、奴等の口調が移ったの。

 私としてもちゃんちゃらおかしいけど、ちゃんちゃらは私の口癖なのよ」


「………」


 私がそう断言すると、ケティはまた引きつった笑みを見せた。


「何だか、奥様のイメージが崩れますね。

 ものぐさで、ちゃんちゃらな奥様って、本当に奥様なんですか? 

 私が転んで奥様に水を頭からかけただけで激怒していたあの奥様は、一体何処へ?」


「………」


 いや。

 頭に水をかけられたら、流石に誰でも激怒するだろう。

 私の反応は、極自然な物だ。


 特に〝三銃士〟の時代は名誉を重んじる人間が多かったから、激怒してもおかしくない。


「いえ。

 まずその〝三銃士〟の説明をする必要が、あるのではないですかね?」


「だから、面倒くさいの。

 それでも説明しろと言うなら、私の人生を描いた一大巨編と言う他ないわね。

 私の悪事が詳細に書かれている、歴史書よ。

 ――以上」


 私が言っている事は、端的ではあるが、間違いはない。

 私の悪事の大半を描いている〝三銃士〟は、私の歴史書みたいな物だ。

 

 私の最初の大きな悪事から、私の処刑まで描かれているのだから、そういう事になる。


「というか、あの流れで私が処刑されるのって、ただのバッドエンドじゃん。

 途中まで私が主役みたいな物だったのだから、私が死んで大団円とかおかしいでしょ? 

 例えるならドラゴンボーイの孫孫兵衛が死んで、ハッピーエンドになる様な物よ」


「……いえ。

 私、その孫孫兵衛なる人物からして、存じ上げないのですが」


 やはり引きつった笑みを浮かべる、ケティ。

 孫孫兵衛を知らないとか、大分人生損をしている。


「というか、段々頭にきたわ。

 ……え? 

 私、何か殺される様な真似をした? 

 しかも私を殺したのって、例の六人でしょう? 

 四人の銃士と他二名。

 あの時代の男共は、死より名誉を重んじていた。

 拷問や死さえも恐れず、名誉を大切にする化物どもだった。

 そんな連中が完全武装して、徒手空拳の私に死を迫ったのよ? 

 どう考えても、おかしいでしょう?」


「……いえ。

 そこで開き直られても、困るんですが。

 殺される様な真似をしたか否かで言えば、していると答えるしかありません。

 現に奥様って、バッキンガム公を暗殺しているじゃないですか」


「は、い? 

 あれは、フランスの為にやったの。

 バッキンガム公はフランスの敵なのだから、別にブッ殺してもオーケーでしょう? 

 ウィンター男爵に咎められるのは分かるけど、他の連中が私を責めるのっておかしくない?」


 寧ろ〝よくやった!〟と四人の銃士は、私を褒めるべきでは? 

〝君こそフランスの英雄だ!〟と称えるのが、あの四人の立場ではないか?


「……いえ。

 アトスが私を褒めるとか、絶対ありえないけど」


 元旦那の事を思い出し、私は苦々しい気持ちになる。

 私の天敵であるアトスは今何をしているのだろうと思い、私は顔をしかめた。


「いえ。

 奥様は、コンスタンス様も毒殺していますし」


「あー。

 そんな事もあったっけ? 

 でも、あれは皆ダルタニャンが悪いのよ。

 私を騙して私のカラダを玩具にしたダルタニャンが――」


「――あー、あー。

 女子高生が無暗に、そんなアダルトな事を口にしてはいけません。

 いいから、一寸黙りましょうか、奥様」


「………」


 え? 

 今この侍女は、主人に黙れと命令してきた?


「というか、奥様にとってコンスタンス様の殺害は、大した事ではないんですね? 

 今まで忘れていた程、どうでもいい事だった?」


「いえ。

 どうでもいいと言うか、確かにコンスタンスには悪い事をしたわ。

 躊躇なくブッ殺したけど、実はあの毒殺は私にとっても不本意だったの。

 コンスタンスは不憫だと後悔する位の良心は、私にもあった」


「……成る程。

 コンスタンス様が聴いたら、少しは救われる感想ですね、それは」


「ま、どうでもいい人間を、つい殺してしまった事は確かなのだけど」


「………」


 私がはっきり言い切ると、やはりケティは引きつった笑みを見せる。

 何だかんだ言って、笑顔を絶やさないケティこそ何者だと、私は感じた。


「え? 

 だから私って、あの六人に処刑されたんだっけ? 

 コンスタンスの件が、一番尾を引いたのかー。

 あれさえなければあるいはダルタニャンが私を庇ってアトスと殺し合ったかも。

 そうなれば、私としてはシメシメといった感じだったわ。

 ……ぬったわね。

 私とした事が、大失敗だわ」


「……いえ。

 最近の女子高生は〝ぬかった〟とか言わないのでは?」


「だから私の親は古風で……って、二度も同じ説明をさせないで。

 とにかく痛恨なのは、コンスタンスの件ね。

 あれさえなければと、後悔するしかない。

 ダルタニャン対アトスの殺し合いとか、最高のイベントじゃない。

 それを見る機会を逸したのは、忸怩たる思いだわ。

 いえ。

 一寸待った。

 私、アトスやダルタニャンに恨まれても、ポルトスやアラミスには何の恨みも買っていない。

 それなのに、あの連中は何でしれっと私を責める側に回っているのよ? 

 私は確かに頭がいいけど、その辺りは全く理解不能だわ。

 え? 

 あの二人、その場の空気にのまれただけ? 

 それとも友人Dであるダルタニャンの仇だから、私を敵視しただけだと言うの? 

 というか〝あなたの罪を赦すから、大人しく死ね〟とか、大の男が言う事?」


 男六人がかりで女一人にそれなのだから、私は確かに死ぬしかなかった。

 

 何故か英語で〝もう死ぬしかないじゃない!〟と言い残して処刑されたのが、この私だ。


「うーん。

 やっぱり、納得いかないわね。

 確かに私は、リールの首切り役と、ウィンター男爵と、ダルタニャンと、アトスの恨みは買っていた。

 でも――ただそれだけじゃない」


「……いえ。

 過半数以上の人間に恨まれている時点で、アウトでしょう? 

 それだけの人間の怒りを買っているなら、処刑されるのが当然です。

 寧ろ奥様のどこに、助かる道が残されていたと仰る?」


「………」


 そう言われてしまうと、私としても、頷くしかない。

 よく考えてみれば、私も私で悪い事を沢山してきたのだなと、今頃になって実感した。


「でも、奥様が処刑されたのって史実の〝三銃士〟だけなんですよね。

 他の映画やアニメや人形劇やテレビドラマでは、大抵生き残っているんです。

 逆に幸せになるケースもあるぐらいですから、やはり奥様はひとかどの人物なのでしょう」


「……あー」


 そういえばとそうかと、私は愛沢トトの記憶を探る。

 結果、私はケティが言っている事は事実だと知った。


「確かに私が生き残るケースって、多いわね。

 いえ。

 ま、私は史実の〝三銃士〟でも途中まで主役級の扱いだったから、当然よ。

 誰もが私の様に〝ミレディー・ド・ウィンターが死ぬのはおかしい〟と感じていたのね。

 多くのクリエーターを魅了するとか、さすが私だわ」


 私がドヤ顔で胸を張ると、ケティは何故か黙る。


「………」


「………」


 挙句の果てに、ケティはこうほざいた。


「……いえ。

 ツッコミませんよ?」


「――ツッコミ待ちしていたんだから、ツッコミなさいよ! 

 役に立たないわね!」


「……いえ。

 ツッコミませんよ?」


「――何故、二回言ったっ? 

 しっかり聞こえているから、二度言う必要はないわ!」


 私が的確な指摘をすると、ケティは尚も妄言を口にする。


「というか――奥様って結構なドジっ子ですよね?」


「……は?」


「いえ。

 だって、ダルタニャン様に騙されているし。

 イギリスに着いた途端、監禁されているし。

 コンスタンス様を、殺した復讐もされている。

 これって、結構やらかしているって事になるのでは? 

〝頭がいいドジっ子〟というのが奥様のカテゴリーなのではないでしょうか?」


「………」


 ……え?

 そうなの?


 私は〝頭がいいドジっ子〟なの……?


 そう言われると、反論できない気がしてきた――。

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