桜の真咲

憧宮 響

桜の真咲

荒野を彷徨っていた少女

彼女は女を捨て

剣を取った

生きる意味を与えてくれた

鬼の青年のために


蓮「私は・・・剣を取ります」


風の青年は少女を想い

鬼の青年を恨み

白梅の女は少女を慈しみながら

鬼の青年への想いに苦しんだ

長の男は少女を娘のようにおもい

女としての幸福を願った

鬼の青年は少女を想いながら

けしてそれを見せずにいた


いつき「恨みますよ、副長」

「私にしてくだされば、いいのに」

「愛しています、蓮」

桜花おうか「ごめんね、蓮、ごめんなさい」

いさみ「お前は・・・どうしても、そうしたいんだな」

「だが・・・蓮。ワシは、お前に、女として幸せになってほしい」

士郎「お前に剣を取らせた以上、オレは・・・」



少女に近づく闇

狂った少年は

少女の光に強くひかれ

暗黒の青年は

少女の崩壊を望み

彼を慕う女は

少女への嫉妬に身を焦がし

虚の青年は

ただそれを傍観するのみ


透雅とうが「へー・・・あのお姉さん、いいなァ」

鷹比等たかひと「光ほど、壊しがいがある」

円華まどか「鷹比等様っ・・・なぜ、そんな女・・・!!」

宗伯そうはく「また鷹比等様の悪癖か・・・」



闇が都を覆った


狂気が白梅を散らさんとし

少女が駆けつけ

桜の花片で白梅を守り逃がした


蓮「お逃げください、桜花」

透雅「お姉さん、来ると思ってたよ」


嫉妬の化身も現れ

激しい言の葉と剣で

疲弊した桜を追い詰める

助けたのは 風の青年


円華「透雅、アタシがその女やるんだ!邪魔すんな!」

「お前なんかいなくなれ!あの方にはアタシだけでいいんだ!!」

樹「そこまでにしていただきましょうか」


鬼と長は

闇と虚と相対していた

桜と風も合流し

剣を振るう


虚に過る記憶

この少女 どこかでー


宗伯「オレは・・・この女を、どこかで・・・」

「だが、どこで・・・?」


激しい戦いの終末

闇が桜を散らさんとした時

虚がそれを防ぎ

桜の真名しんめいを呼んだ


宗伯「真咲まさき・・・オレの、妹」


鬼と出会う以前の記憶が蘇り

桜は 兄の真名を呼んだ


蓮「まこと、兄さん・・・」



闇は滅び

桜は涙と共に敵討ちを果たし

真の自分を 取り戻した

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桜の真咲 憧宮 響 @hibiki1003

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