文学も「学問」の一つらしい。
数学や科学と比べるとだいぶ個人的と言うか、ゆるーい雰囲気もあるのだが、
それでも時を超えた「発見」はきっとあるはずだ。
明るい雰囲気、楽しい喩えを出しつつも、なぜだか深遠な雰囲気も漂わす評論。
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個人的な一意見であるが、安定して面白い(興味深いとも言う)作者・作品には共通する特徴がある。
それは「様々な分野を横断し、融合させている」ということだ。
この作品は文系でありながら理系でもあり、軟派でありながら硬派でもあり、単純でありながら複雑なのである。
実際、難しいところは「わっかんねー」と舌を出す茶目っ気のようなものもあって、けれどもその難しさを完全に投げ出すことはない、そういう「取り組み」が感じられた。
本作を読んでどう思うかは人それぞれだろう。
ただ、学問と呼べるだけの偉業はムリでも、せめて個人の「ライフワーク」くらいは考えてもいいのかもな……とぼんやり思った。