最終話は、四年間の積み重ねが静かに、しかし確かな重みをもって結実するエピソードだった。
卒業式という節目を舞台に、主要人物それぞれが「未来へ進むための答え」を見つけていく構成が見事。
■アンジェリカの答辞が物語の核
彼女の言葉は、華やかさよりも誠実さが際立ち、
「遠くの光に向かって背伸びしながら進む」という作品タイトルの象徴そのもの。
過去の痛みも、努力も、仲間との時間も、すべてが未来へ繋がる道になるというメッセージが胸に残る。
■ジークの視点が生む“青春の余韻”
嫉妬、悔しさ、尊敬、そして淡い想い。
彼の内面の変化が丁寧に描かれ、読者は自然と四年間を一緒に歩んだ気持ちになる。
アンジェリカとの静かな共鳴は、恋愛未満の美しい関係性として余韻を残す。
■ラウルとユールベルのシーンは異色の深み
青春の爽やかさとは対照的に、
痛み・執着・諦念・再生が交錯する大人のドラマが展開される。
ユールベルの「変わる」という決意は、読者に強い印象を残すし、
ラウルの不器用な誠実さもまた、彼らしい終わり方だった。
■最終話としての完成度
・主要キャラそれぞれに“未来への一歩”が描かれる
・過去の伏線が静かに回収される
・余韻を残しつつ、物語は確かに終わる
読後感は温かく、静かで、そして前向き。
「終わり」ではなく「始まり」を感じさせる最終話だった。