ひとひら、万華鏡

Rie

― 花屑のゆめ ―

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 くるり くるり

 回せばうつる なつかしさ


 


 ひとみの奥に

 知らない記憶

 知っていたような


 


 ゆびさきに

 ふれた色から 消えてゆく

 わたしのなかの わたしの影も


 


 とん とん

 遠くでだれか 戸をたたく


 


 ふりむけば

 花 また花

 万華鏡の なかの世界か


 


 ゆめか まぼろしか

 でもきれい

 それだけが たしかに残る


 


 くるり くるり

 ときが染めゆく 万の華


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ひとひら、万華鏡 Rie @riyeandtea

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