第55話 昔遊び同好会の無くし物

 森永さんは、「いいよいいよ!とりあえず入って!」と言って、私とカメを昔遊び同好会の教室に引き込まれた。

 昔遊び同好会の教室は、至って普通の教室だが、至る所にコマやめんこなどの昔の遊び道具が転がっていた。部員は、全員で五人。男子はいなくて、女子だけの同好会らしい。聞いた話によると、森永さんは、こことは別に弓道部に入っているらしい。

 「週に一回、こっちの同好会にかおだしてるんだよ」

 スーパーファミコンのコントローラーが置かれた机は、五つの机をくっつけて広げられている。

 「訊きたいことがあるんだったよね。何でも訊いてよ!」

 「最近、おはじきが盗まれりしませんでしたか?」

 森永さんは、私の質問を聞いて、教室の後ろに歩いていった。そして、ロッカーから一つの缶を持ってきた。

 森永さんが持ってきた缶の蓋を開けると、色々な色に輝くおはじきが沢山出てきた。

 森永さんは、おはじきを机の上にバラバラに出した後、数を数え始めた。私も、森永さんの指に運ばれていくおはじきを目で追っていた。

 「ひい、ふう、みい…。いくつか減ってる…」

 森永さんの顔は、不思議そうな顔をしていた。私は逆に、おはじきの数を正確に管理していることが不思議だった。というか、私が拾ったおはじきは一つだけだが、なくなったのは、一つではないということが不可解だった。

 「わかりました。ありがとうございました」

 「うん!。またなんかあったら、いつでも頼ってよ。一応私も生徒会の一人だからさ」

 私たちが昔遊び同好会の教室を出るとき、森永さんがそう言ってくれた。たぶん、高城先輩でも高木さんでもそう言ってくれる気がした。会長は、あまり助けを求めたくないが、助けてはくれるだろう。

 「そう言えばさ~。生徒会って、あと一人いるんだよね?。どんな人なんだろ~」

 前に高城先輩に聞いた話だが、この学園の今年度生徒会は、会長である久保田誠輝を中心とした、副会長高城雫、書紀高木誠也、行事進行森永夏妃、会計松本。という構成らしいのだが、会計である松本さんにまだ会ったことがなかった。

 「確かに…。人見知りで、あんまり生徒会室にも顔出さないらしいからね。あれ、でも生徒総会のときいたっけ?」

 私たちが入学して一か月ぐらいのころに、生徒総会があったのだが、その時の生徒総会からの挨拶で松本さんの記憶が全くなかった。

 「松本くんは、生徒総会の時高熱で寝込んでましたからね。生徒総会があると思ったら、緊張して体調を崩したらしいですから…」

 私の質問に返ってきた声は、高く可愛らしいカメの声ではなかった。びっくりして後ろを見ると、高木さんが立っていた。

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