第49話 悔やむ女の新たな情報
次の日、普通に登校をした。別に誰かの物が盗まれたわけでなく、誰かが亡くなったわけでもない、ただの一人の女子高生としての日だった。
放課後に私は、クラスの係の仕事で教室に残っていた。本当なら係はもう一人いるのだが、最近入院をしたみたいで、私一人で二人分の仕事をする羽目になった。もう一人がサボったわけでもないので、怒るにも怒れなかった。
一年生のフロアである四階は、窓の外からの光を遮るものは一切なく、淡いオレンジ色の夕日の光が私の手元を照らしていた。
「ルミ~、終わりそう?」
今度のコンテスト用の写真を撮りに行っていたカメが帰ってきた。いつもよりも少し大きく高価であろうカメラは、本当に好きなことであることを表していた。
「あともう少しかな。私の部屋の鍵渡しておこうか?。何か作っておいてくれてもいいよ?」
「いいよ~、待っとくから。てか、私が料理苦手なの知ってて言ってるでしょ~」
カメは、私の向かい側の席に座り、私の言葉に対していい反応を見せてくれた。
「あっ!飲み物買ってくるね~」
カメは、いきなり立上り、そう言って小走りで出て行ってしまった。カメの走る音が、静かになっていた校舎に響いていた。
私が、カメの帰りを待ちながら仕事をしていると、足音が聞こえてきた。その足音は、静かでゆっくりだった。
「ちょっと今大丈夫?」
私にそう話しかけたのは、今私が巻き込まれている件の重要参考人である神田紗恵だった。私に何か用があって訪ねてきたようだ。
「実はね、大智がいじめられてたの知ってたの。今頃悔やんでも仕方ないってわかってる…」
紗恵さんの頬には、涙が流れ始めた。
「どうして、今それを私に?」
紗恵さんは、スカートのポケットからハンカチを取り出し、涙を拭いて呼吸を整えていた。
「誰が、いじめていたかを言っておいた方がいいと思って…」
私は、息をのんだ。紗恵さんが今から話そうとしている話は、莉久さんからもらったUSBメモリにも会長の話にも出てこなかったが、調査を進めるにあたって最も必要なことだった。
「大智をいじめていたのは、今の二年生のヤンチャ三人グループ。リーダー『室 竜樹』。それと室が率いる『吉野 隆太』、『栗上 凌牙』の三人。一年生があまり知らないのは、サボりが多いのと停学になってることが多々あるのが理由だと思う」
「今は、登校しているんですか?」
私は、そんなことを紗恵さんに訊きながら、あることが気になった。カメの帰りが遅かった。自販機は、一階に数カ所あるが、さすがに遅い気もした。ただ今は、紗恵さんの話に集中するしかなかった。
「最近は、またサボってるの。大智をいじめていた頃は、それが楽しくて登校してたみたい…」
「そうですか…。話してくれて、ありがとうございます」
紗恵さんの目には、また涙が浮かんでいた。それを必死にこらえようとしているのが表情に出ていた。
話し終えた紗恵さんは、「体調を崩さないように気を付けてね」と言って帰った。
それから数分ほどしてから、飲み物を二本持ったカメが帰ってきた。その時には、私の仕事が終わってい
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