第34話 普通の学生生活

 その後は、いつもと変わらない夜だった。強いて言えば今日は、綺麗で大きな満月だった。

 「おはよ~。って今日って数学の課題提出だっけ?!」

 私が、数学のノートを開いて問題を解いているのを見てカメがそう訊いてきた。確かに私が今やっているのは課題だが、カメと私で決定的に違うのは、私はあと一問、カメは全く手を付けていないだろう。

 「そうだけど…。まさかやってないの?」

 「まったくやってないよ!。柏木に怒られるじゃん!。ミヤ~みせて~!」

 カメは、リュックを机の上に投げ置きミヤにお願いを始めた。ミヤは、 「仕方ないな…」と言って自分の机から一冊のノートを取り出してカメに手渡していた。

 「あれ?でもカメがやってないのはわかるけど、ルミがやってないないなんて珍しいね」

 「普段なら授業中に終わらせるんだけど、あと二問だけ残ってたの忘れてたの」

 最後の一問を話ながら終わらせた私とミヤが話していると、カメは急いでミヤのノートを書き写していた。こんなことをしているから学力があまり伸びていないのだろうけど、次のテストは私が教えてあげるか…。

 そう思いながらカメを見ていると、チャイムが鳴りホームルームが始まった。今日は、特に何もない日だ。強いて言えば、タカが部活の試合で公欠なだけだろう。

 「ねぇねぇルミ、数学って何限目?」

 カメが小声で訊いてきた。ホームルームの時ぐらい一旦やめればいいのにとも思ったが、結構な問題数があったためやらせておくことにした。

 「えっと二限目だよ」

 そんな時、ホームルームの最後に担任である佑子さんが何かを思い出したように口を開いた。

 「今日は、先生たちの都合上一限と二限目交代ね」

 その言葉が聞こえた瞬間、下を向いてペンを走らせていたカメが、驚いたような顔で佑子さんの顔を見た。まぁ、猛スピードで写せば間に合わないこともないだろう。

 それから、数分後のこと、 「あ、写すとこ間違ってた…」とカメが言った。その時には時すでに遅しで、数学の先生が来ていたし、始まりのチャイムが鳴った。カメは、案の定ものすごく怒られていた。数学の柏木先生は、課題のことになると結構怒るタイプの先生だ。

 まぁ、カメには申し訳ないけど自業自得としか思えなかった。

 その後は、普通の学校生活だった。物も盗まれず、死亡事件も起こらなかった。いや、起こること自体がイレギュラー過ぎていた。私は、言い方は悪いがもう大智さんの件で面倒ごとも最後にしたいと思った。

 学校が終わり私は、一度寮の部屋に戻り、夜に高城先輩と共に大智さんの部屋に向かっていた。

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