【設定資料集】残念貴族のハーレム奮闘記
葛餅もずく
貴族令嬢のドレス
中世ナーロッパの女性貴族のドレスについて・・・
※間違いがあれば優しく教えてください。
●ドレスの構造 ――――――――――――――
<上半身>
・肌着
・シフト/シュミーズ
麻布などで作られた長い下着で、素肌の上に直接着用。
長袖で膝下丈程度のゆったりした形状。
これは洗濯可能な唯一の層であり、日常的に交換。
・補正具
・コルセット
胸部から胴を覆う硬い下着。
木材や鯨の髭(くじらのヒゲ)、籐(とう)などで作ったボーン(骨材)
が仕込まれており、胴体を円錐形に矯正し姿勢を正すもの。
前中心には木製や金属製の平板(バスク)を挿入し、体をまっすぐに保つ。
・上半身の衣服
・ボディス
女性の胴(バスト〜ウエスト)を覆う上半身パーツを指す。
体形を整える芯入りの構造体。
袖やスカート、ストマッカーを“吊る”土台。
亜麻の裏地 + 鯨髭や籐を仕込んだ芯で硬く成形。
16世紀前半はスカートと縫合された“一体型”も多い。
後期には別仕立てが広まり、フックや紐でスカートに接続。
・ガウン
肩から裾までを覆う長衣全体を指す。
着装者を包む最外層。式典・外出時の正装。
・ラウンド・ガウン:
ボディスとスカートが縫い合わさった一体型ドレス。
・オープン・ガウン:
前開きで下のペチコートを見せる二枚仕立て。
<下半身>
・フレーム(ファージンゲール/ガルダインファンテ/パニエ)
・ファージンゲール
15世紀末スペイン宮廷で誕生し、16〜17世紀ヨーロッパに拡散。
円錐〜円筒 シルエット。腰から裾へ均等に広がる。
スペイン式:コーン
フランス輪型:ホイール/ドラム
スカートそのものに輪を縫い込む or 帯で腰に結ぶフレーム。
・ガルダインファンテ
腰の左右だけを極端に張り出させるフープ‐スカート
(骨組み付き下層スカート)
ファージンゲール → ガルダインファンテ → パニエ
と発展していったらしい。
・パニエ
17世紀スペインの ガルダインファンテを端緒に、
18世紀フランス宮廷で大流行。
左右だけ張り出す 楕円形。前後は比較的フラット。
多くが独立フレーム。腰帯で締め、布で覆う。
・ペチコート(下着ショーツではないらしい!!)
一枚のスカート状布を腰に巻いて重ねる “下着スカート”。
(場合によっては外から見える)
多層で着用。
開いた前合わせから模様を「見せる」おしゃれ要素にも。
ペチコートは“スカート状の下着”または“下層スカート”で、
16〜17世紀のドレス・スタイルを成立させる必須アイテム。
※下半身は基本的に何も履いてなかった。
とある書籍では、フレームが邪魔でトイレには座れなかったため、
ショーツを履いていると用がたせなかったそうな……
・スカート(オーバースカート)
前を開いて下のペティコートを見せるスタイルや、
後ろに引きずる長いトレーンを持つ宮廷用ローブなど、
時期と地域により様々なデザインが存在。
・ドロワーズ
二股に分かれた脚筒+ウエスト帯(股は開いているタイプが主流)。
※そのまま用を足せるように開いてたそうです。
一般化は19世紀初頭〜中頃。
薄手素材の流行で脚線が透けるのを防ぐ。
<着脱の手順>
1.下着の着用:
麻の肌着(シフト)をかぶり、足には長靴下(ストッキング)を履いて
ガーター帯で留めます。
当時女性用下穿きは一般的でなく、下半身は基本的に何も履きませんでした。
靴(柔らかな室内用ミュール)もこの段階で履いておきます。
2.コルセット装着:
コルセットを胴に巻き付けます。自力で編み上げるのは難しいため、
侍女に後ろ(または横)の紐を引いてもらいながら徐々に締め上げました。
木製のバスク板を前中心に挿入し、胸元から腹部にかけて平らに矯正します。
必要に応じ胸元にハンカチや布を当て、肌が擦れないよう調整しました。
→ 胸を盛っていたのか? に関しては下記で補足。
3.フレーム装着:
続いてスカート用のフレーム(ファージンゲール)を装着。
ウエストに固定する輪状の枠組みで、ホックや紐で腰に留め。
円錐型のスペイン式ファージンゲールの場合はペチコートの下に履きこみ、
フランス式ホイール型(車輪型)の場合は上から帯状に巻き付けて水平に。
侍女がスカート線の水平や左右バランスを確認し、ずれないようピン留め。
4.ペティコート類の重ね:
フレームの上から何枚かのペティコートスカートを順に履く。
一番下には厚地のペティコートを入れてフレーム輪郭を隠し、
中間層には装飾の少ない絹や毛織物のスカートを重ねてボリュームを出す。
最後に最上層の飾りペティコート(豪華な刺繍入り)を着ける。
前開きドレスの場合、この最上ペティコートが表から見えるため
特に念入りに整えた。
5.ボディス(胴服)の着用:
次に上半身のボディスを着る。
ボディスは後ろ開きの場合も多く、侍女が後身頃の紐やホックを留める。
前開き型の場合はこの時点では仮留め程度にしておき、
後でストマッカーを挿入。
袖が独立している場合は、この段階でボディスの肩や腕に小さなリボンや紐で
袖を結び付けました。
6.オーバースカートとストマッカー:
続いて外側のスカート(オーバースカート)を腰に巻き付け。
ドレスによってはボディスとスカートが一続きになったガウン形式もあるが、
その場合は裾を持ち上げて頭から被り、袖を通して着る。
分離型の場合、スカートのウエスト部をボディスの下から差し込み、
紐やホックで一体化。
前開きのドレスでは、胸元にストマッカー(三角形の前飾り板)を当て、
これをボディスの裏からピンで留め付けて固定。
7.仕上げと調整:
最後に襟元にラフ(大きな襟飾り)やネックレスを装着。
頭に飾り帽やヴェール。
必要に応じてウィッグ(かつら)や髪飾りを取り付け。
全体の皺を伸ばし、裾の広がりやシルエットを最終チェック。
宮廷衣装では背中のトレーン(長い引き裾)のドレープを美しく整え、
持ち歩く扇子や手袋などの小物も忘れずに。
≪着るときに着けたピンはどうするの?≫
着ているあいだはピンを刺したまま固定し、脱ぐときに全部抜き取る。
16〜17 世紀のドレスでは、真鍮や鉄のストレートピンが
「ホック兼安全ピン」の役目を果たす。
・着付け時に袖・ストマッカー・襟飾り・前合わせなど
数十〜数百本を刺して固定。
・日中は刺したまま歩き回り、ずれを防止。
・就寝前の脱衣で侍女が一本ずつ外す。
・保管時や洗濯前にピンを残すことは「布を裂く・金属が錆びて染みを作る」
ため禁物とされ、必ずピンクッションに戻された。
エリザベス1世御用達ピン職人は半年で 9 万本超 の納品を命じられ、
侍女は毎晩すべて抜き取って保管したらしい……
ピン自体が高価な消耗品だったようで、回収して再利用する必要があった。
金属の酸化がシルク・リネンを変色させるため、刺しっぱなし保管はNG。
ピンが刺さらなかったのかな……。
≪17世紀は実は胸を盛っていなかった……≫
13世紀:
キルトル+ガウンで首元まで覆う。
胸の露出は「あからさま過ぎる」とされNG。
都市によっては、「胸開き禁止条項」があった。
14~15世紀:
フランス宮廷を中心にデコルテ急拡大。
シャルル7世の公妾アニェス・ソレルが 1450 年ごろ、
乳房上部をあえて露出する深いスクエアネックのガウンを王宮で着用。
王の寵愛によって彼女の装いは瞬く間に上流女性の憧れとなり、
「胸元を開ける=流行最先端」という図式を作った。
胸は労働で日に焼けない上流だからこそ見せられる
“高級部位”= ステータス・シグナル
胸元は「母性・気品」と結び付けて相対的に寛容だった。
聖母授乳図など宗教図像も“聖なる胸”イメージを下支え。
大胆デコルテは司教や説教家からたびたび非難され、
シャルル7世にも「乳房が見える釦開きは正すべき」と進言が届いたが、
無視!!
禁止の試みがむしろ流行宣伝に。 「脚より胸はマシ」
16世紀後半~17世紀:
コルセットで胸を平らに整形し、
豪華ラフや立ち襟で視線を顔まわりへ。
胸の谷間はむしろ隠す方向。
17世紀後半:
英仏で浅い谷間を見せるネックラインが復活するものの、
スペインは控えめ。
19世紀以降:
寄せ上げて谷間を作る “砂時計型” は19 世紀ヴィクトリア期 の発明
中世(とくに 13?–15 世紀)には、聖母が幼子イエスに授乳する
「マリア・ラクタンス」の聖画が無数に描かれ、露わになった乳房は信仰的・
母性的シンボルとして崇敬
(中世〜初期近世ヨーロッパで乳房が“一律に下品”だったわけではない)
だからといって、
日常の貴婦人が胸を大きく露出することが普遍的に許容されたわけでもない。
16 世紀の トリエント公会議(1545-63) 後、過度な身体性は
「公衆の場では慎むべき」とされ、乳房を露わにした聖母像は次第に減少。
16–17 世紀のコルセットは“盛る”道具ではなく、
胸を押さえて威厳ある円錐シルエットを作る補強具。
“盛り寄せ”が主流になるのは 19 世紀ヴィクトリア時代以降。
だそうです。
ですが、『残念貴族のハーレム奮闘記』では、盛ります!!
やっぱり男の子のロマンですから。。。
ナーロッパだから良いのだ~。
※史実に寄せすぎると、色々と辻褄が合わなくなりますからね♪
『残念貴族のハーレム奮闘記 ~チートな旦那様は貧乏領地の救世主~』
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