CoCシナリオ短編

雲霓藍梨

ニャル様の家庭料理:ニャル台本例

——台所には、親から受け継いだレシピの紙が一枚。

あなたはそれを見ながら、ゆっくりと夕食を作った。

味は、少し薄い気もしたが、懐かしい“家庭の味”だった。


→眠りにつく瞬間で、背景に「何かがにじむような音」がして視界暗転。



【ニャルの登場演出補足】


突然姿を見せるより、以下のように登場すると怖くて面白いです。


見知らぬ書斎。誰もいないはずの空間に、

壁から浮かぶように男が現れた。

彼は楽しげに微笑みながら言う。


***


NPC:ニャルラトホテップ(夢の中の姿)

•見た目は30代ほどの端正な中性的男性。スーツ姿もしくは和装など、セッション雰囲気で調整可。

•言動は軽妙だが、時折“理不尽な神”の片鱗を見せる。

•プレイヤーに好意を持っているように振る舞うが、純粋に「面白がっている」だけ。



ニャルのセリフ台本


■ 初登場シーン(導入後、目覚めた直後)


「やあ、おはよう。目覚めはどうかな? ……ああ、驚かないで。ここは君の世界じゃない」

「僕の持ち物のひとつ。1DK、ちょっと狭いけど静かで気に入ってるんだ」

「……さて、本題に入ろうか。君、“家庭の味”って知ってる?」



「外食はね、わりと経験があるんだけど、いわゆる“家庭の味”ってやつがいまいち分からなくてね」

「市井の人々が“これぞ我が家の味”なんて言ってるのを見ると、ほら、羨ましくなるだろう?」

「だから、君にお願いしたいんだ。“我が家の味”を開発してくれないか?」



■ 料理の準備中(自由探索時の会話)


「ふふ、何を選ぶのかな? 普段の食材じゃ物足りないかい?なら、こっちの冷蔵庫がおすすめだよ」

「ああ、そこの鍋の中身? 気にしないで。前に別の人が作ってくれたスープの名残さ」

「“見た目がすべてじゃない”とはよく言うけれど……ここの食材はちょっと、見た目が走ってるかな」



「ああ、君、オカルトに詳しいのか。うれしいな。そういう人の料理は、味に深みが出るんだよ」

「魔法陣?ああ、それ、調理にも使えるよ。少し手間はかかるけど、味の再現性が高くてね」



■ 調理完了後、料理提出時


「おお……これは、君の“家庭の味”かい?」

「なるほど……なるほどね……ああ、香りがいい。脳の奥に響くようだ」

(※演出:匂いを嗅ぐと鼻から黒い煙を吐き出す等の不気味な描写も可)



■ ニャルのリアクション(ptに応じた台詞変化)


● 冒涜度80%以上(狂気の傑作)


「あっはっはっは!! これはすごい、すごいよ!」

「ぐふっ……ちょっと倒れちゃった。……でも、美味い。ああ、美味い……たまらない!」

「君には感謝しかない。こんな家庭、見たことないよ!」


● 冒涜度50%以上(奇妙な佳作)


「ほうほう、これはなかなか……」

「この調味料の選び方、常人の発想じゃないね。君、いいセンスしてるよ」

「我が家の新定番に……なるかもね?」


● 冒涜度30%以上(そこそこ普通)


「うん、まあまあかな。ちょっと優等生すぎる気もするけど」

「君らしさ、もう少し前に出しても良かったかもね」

「でも、気持ちは伝わったよ。ありがとう」


● 冒涜度0%(普通の家庭料理)


「あー……うん……普通だね……」

「いや、決して悪いって言ってるわけじゃないよ?でも、僕が欲しかったのは“異常”なんだよね」

「次はもう少し、はっちゃけてくれても良いんだよ?」



■ ラストシーン(別れの挨拶)


「今回は我が家の“家庭の味”を考えてくれて、ありがとう」

「いやあ、愉快な時間だった。やっぱり君を選んで正解だったよ」

「また会おう。次は“おふくろの味”でもテーマにしようかな?」


「……それじゃあ、おやすみ。いい夢を」


→(視界が暗転し、目覚めると自室のベッド)



おまけ:現実に戻った後の“ニャルの痕跡”セリフ案(KP演出用)


ベッドの横に、見覚えのない紙切れが一枚。

そこには、こう書かれていた。


「レシピ第1号:君の“家庭の味”より」

「——Nyarlathotep’s Kitchen——」

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