区間2 おっかあの葬式

 十日ほどたって、ごんが、弥助やすけというお百姓の家のうらを——


◉「引き続き、実況はわたくし、かちかち山のたぬきが。解説は——」

★「クラムボンが、お送りします」


 ——とおり、兵十の家まで全速力で走ります。


◉「ごん左衛門選手、早くも第二区間の本文改変を始めました!」

★「通常初見ですと、ごんは村の様子を見て秋祭りと予想しますが、これはRTAですからね。のんびり思案してる時間すら惜しいです」


 いつのまにか、表に赤い井戸がある、兵十の家の前へ来ました。


◉「パート開始早々、すでに大幅カットですッ!」

★「約200字の短縮。ここは鉄板ルートですね」


「ああ、そう式だ。」と、ごんは思いました。


◉「さらに屋内の描写カット!」

★「追加で100字カット、いいペースです」


「兵十の家のおっかあが死んだんだろう。」


◉「ここで区間条件『兵十のおっかあの死を知る』を達成ですッ!」

★「台詞の『誰』を『おっかあ』に差し替え。更に疑問文を推量表現に変換。RTA勢の常套手段です」


◉「これにて区間通過! 早い、あまりに早い!」

★「本来この後は、地蔵の裏から覗き見ておっかあの死を知る。そして晩に、ウナギを盗んだせいだ、と反省する場面ですが、条件を満たしているので、残りを全てカット。実に600字程の短縮です」


◉「今パートのごん左衛門選手の立ち回り、いかがでしょう? クラムボンさん」

★「目新しいチャートはありませんが、基本に忠実でしたね。先駆者の動きを学び、突き詰めた結果と言えるでしょう」


◉「ありがとうございます。では第三区間『うなぎのつぐない』を見て参りましょう」

★「ここから山場ですね。ごん左衛門さんには完走まで気を抜かないでほしい所です」


   ▼ 第三段落へ ▼

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