廃人女性
これは私の仕事での話なのですが、お客様の中に「廃人」になった女性がいました。
リアルで見るそれは、アニメや漫画で見るそれとは桁違いの恐ろしさを感じます。なぜならそれはフィクションではなく、現実世界のリアルだからです。
元々精神疾患を患っていたわけではなく、人生のある時点まではまともだったのだと思われます。
しかし、彼女の人生で何かがあり、生気が抜けたような女性になってしまわれたのでしょう。
何を話しかけても、彼女の表情は沈んでいます。
時々返事を返すものの、聞こえるか聞こえないかのような弱々しい声です。
それでも、彼女は時々微笑んだりもします。別に笑い話をしているわけでもないのに。
あれを目の前で見た時は、本当に「ゾクゥウウウ!」と鳥肌が立ちました。
彼女から放たれるオーラでしょうか。それは闇そのものでした。
しかし、私はそういうのを見るとワクワクしてしまうのです(笑)。
「めちゃくちゃ深く関わりてぇぇ!」「それって呪いというやつですか?」「どんな呪いですか?」「いつからですか?」
など、めちゃくちゃ聞きたかったのですが、必死に我慢して抑え込みました。
「くそ……めちゃくちゃ面白れぇええ!」と内心思いながらも、普通にビジネス会話で切り上げて、そこを後にするしかなかったのです。
これは想像でしか考えられないのですが、あの【廃人女性】にはいくつかのケースが考えられます。
例えば、彼女は人生のある時点まで普通に生きていたが、誰か他の女性をいじめていたとします。ところが相手の強い恨みを買い、災い転じて、自分に相手方の女性の呪いか何かが降り注ぎ、彼女の人生が音を立てて崩れていった――。
女友達や彼氏にも愛想を尽かされ、信じていた人にまで裏切られ、それが引き金となり、あのように変わり果てた姿になられたのかもしれませんよね?
あるいは、もうこれから先、誰を信じて生きていけばいいのか分からず、絶望の淵に立たされているところを、私が偶然出会ったケースもあるのでしょう。
そのケースで考えれば、元々は彼女が悪い。
しかし『人を呪わば穴二つ』と言います。相手方の女性にも災いが降り注いでいるのかもしれませんね。
ひょっとすれば、その彼女に仕返しと称して呪いを施した女性は、既に命を失い、もうこの世にいないのかもしれません。
そしてこの世に残された彼女は、永遠に逃れられない苦しみを現在もなお受け続け、生きざるを得ない状況なのかもしれません。
その彼女は、普通ではあり得ないオーラを醸し出していましたので、その後、自ら命を絶った可能性も捨てきれません……。
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