黒瀬智哉のエッセイ集
黒瀬智哉(くろせともや)
思い込みの外に広がる世界
思えば、私の勝手なイメージがそうさせていたのかもしれませんね。
自分が大阪に住んでいるものですから、SNSのフォロワーさんやXの投稿者たちも、きっと私と同じような環境で暮らしてるんだろうって。大阪じゃなくても、東京とか名古屋とか、似たような都会に住んでるんだろうと、どこか心の底でそう決めつけてたんだろうね。
でも、実際は全然そんなことないんだよね。今日行ってきたような、四方を山に囲まれた奈良県みたいな自然豊かな場所で、農作業の合間にスマホを取り出してSNSを使ってる人だっているだろうし。あるいは、目の前に海が広がる港町で、漁師の息子が暇つぶしにスマホをいじってる可能性だってあるのでしょう。
そうそう、冬には雪深い北国の温泉街で、旅館の女将さんが常連さんとメッセージを送り合っていることだってあるだろうし、フェリーでしか行けない遠い離島で、ゆったりとした時間を過ごしながらSNSをチェックしている人もいるかもしれない。
そういう地方の「当たり前」の風景って、大阪や東京の都市とはやはり違う。でも、日本って47都道府県もあるわけで、そのほとんどが山に囲まれた地域なんですよね。自然がほとんどなくて、アスファルトの道や高層ビルに囲まれた都市なんて、東京と大阪くらいのものでしょう。
だけど、日本国民は東京や大阪に住んでる人だけではない。
私にとっての「当たり前」の環境が、向こうにとっては「当たり前ではない」。そして、向こうにとっての「当たり前」の環境が、私にとっては「当たり前ではない」ことだってある。
…うん、つくづく、日本って本当に広いって思いますね。
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