砂糖菓子ガール

関ヶ原powerful!

辞めた理由

宜野座勝人 元調理部。本部町1のパティシエを目指していた高2。

好きな俳優はシュワルツェネッガー。

ある日をを境に周囲の人々がサーターアンダーギーに見える現象に悩まされる。


仲村えこ 調理部員の高1女子。ドジだが前向き。

口癖はなんくるないさー。


又吉遥  高2の調理部員女子。仲村の先輩で宜野座の幼馴染み。

嫌いな食べ物はサーターアンダギー。



仲村えこはかつて調理部に所属していた宜野座勝人という男子が気になってしょうがなかった。

外が地獄のような蒸し暑さに対し、調理室はクーラーが効いてて涼しい。

有り難いことに。

辞めた部活にまた復帰するか?と幼馴染みの又吉遥に訊かれたが宜野座は適当に気が向いたら戻ると答えた。

宜野座勝人「で、俺が調理部に戻ったら西田センが困るだろ?」

又吉遥「西田センはああ見えて気難しい人だからね。宜野座も気にしすぎー」

西田先生がいつでも戻れ、と調理部を辞める前に言ってたのを宜野座は思い出す。

又吉「でもさあー、戻ってきてあんたのジーマーミ豆腐食べれんならいいけど?」

宜野座「誰が戻るか。自分で作れ」

ぞんざいにあしらう宜野座を見て何故か目を輝かせる又吉。

(宜野座がツンデレになってるー!これはチャンス!)

何がチャンスなのかは全く分からない。

又吉「でさー、仲村さんがサーターアンダギー作るたびにキッチンが油だらけになるの!」

宜野座「何を言ってる。サーターアンダギーはそもそも油で揚げるもんだろ………」

又吉「あたしはサーターアンダギーが大っ嫌いなの!知ってるくせに!」

宜野座「お前はフラーか。だったらドーナツも食えんだろ」

又吉「油菓子は大抵無理」

仲村えこ「あ、宜野座先輩!お久しぶりですねー!」

宜野座が視線をある方向に向ける。そこには後輩女子仲村えこがいた。

宜野座「仲村………」

又吉「仲村さん、ジーマミー豆腐作れたー?」

仲村「はい!又吉先輩の大好きなジーマミー豆腐作れました!レシピはうちのおばーが教えてくれて!」

仲村の手作りジーマミー豆腐を試食する又吉。

何故かそれが羨ましかった。

仲村「あの………宜野座先輩も食べません?」

宜野座「別に。要らんし………」

又吉「へえー。後から食べたいつってもないよー?宜野座」

仲村「西田センにも食べてもらったし、好評でした」

又吉「凄い!仲村さん!」

仲村を抱き締める又吉。

(俺は仲村の作るデザートが食べたい)



登校の途中で宜野座はすれ違う人々がポーポーだったり、煎餅だったりする現象に悩まれた。

時には仲村の姿がサーターアンダギーになっていたり………。

全くもって意味不明だ。

目の前にスマホを弄っている大きなサーターアンダギーの姿が………。

仲村「宜野座先輩?」

(声は仲村なのになんでサーターアンダギーなんだ???)

鳥肌が立った宜野座はその場からダッシュで逃げた。

又吉「なんでよー。仲村さんがサーターアンダギーに?」

宜野座「ホントだ!俺は嘘ついてないっ!」

又吉「かつて本部町1のパティシエなるって豪語してたあんたがねえ。あんな誠実だったのに」

宜野座「信じろよ………」

宜野座は帰り道に儚げな雰囲気の仲村に偶然会った。

仲村はオレンジ色のビーチサンダルを履いていた。

服も制服ではなく、青いTシャツにデニムのショートパンツだ。

仲村がサーターアンダギーじゃないことに宜野座ははっと気づく。

宜野座「仲村。お前、元に戻ったか」

は?と呆然とした顔の仲村。

仲村「宜野座先輩。大丈夫ですか??」

宜野座「大丈夫だっ!それより一緒に帰るか!仲村」

仲村「はい!えっと……宜野座先輩、なんくるないさーですよ」

宜野座「そうだな。いつかお前のクッキーが俺は食べたい」

夕焼けに染まった空を見つめる宜野座と仲村。


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