TS魔女の放蕩記 ~固有能力「TS魔法」が発現したので、気の向くままダンジョン攻略をしたいと思います。~
ひかぴー・さささをつ
第一章 探索者として…
第1話 夢の第一歩
時は20xx年。世界のあらゆる場所で未知の物質の存在が同時期に確認された。世界中の科学者はこの未知の物質の正体を暴くために、各国合同の研究機関「
しかし、喜びも束の間、世界中に魔素が充満したことで魔素溜まりができ、魔物(通称モンスター)を無限に排出し続ける「ダンジョン」が各地で生まれる事となった。人々がモンスターに襲われるようになり急ぎ対策を迫られた各国政府は、人間の中で魔素を自在に使い超能力を扱うことのできる者、「守護者」に魔物の討伐を命じてこれらの鎮圧に乗り出した。そして現在ほとんどのダンジョンの入り口を厳重に封鎖することに成功し、ダンジョンの消滅に向けて「守護者」改め「探索者」が次々に現れたのである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「こう君!昼休みサッカーしよ!」
「おう!一番点数低いやつが罰ゲームで後片付けな!」
主人公、佐藤光は、ちょっと他の子より背が低くて子供っぽい童顔の男子中学生だ。かわいらしい見た目のおかげで、他の人から女の子と思われることも度々ある。
最近は高身長イケメンな親友の山田昂輝と昼休みにサッカーで遊ぶのにハマっており、給食を食べ終わるや否や、ボールを持って校庭へ駆け出したところである。
しかし、今彼等のクラスではサッカーが流行っているのかと問われれば、そうでもない。今世の中の学生たちの間で最も流行っているものと言えば、「ダンジョン配信」である。教室で対して興味もない授業を聞かされ、憂鬱な彼らの心を満たしてくれるものは、非日常的でエキサイティングなダンジョンを仲間と協力しながら攻略していく【探索者】たちの姿を配信した動画の鑑賞であった。
「A級ダンジョンってこんなにモンスターつえーのかよ!」
「そこだ!いけぇー!」
など、まるで限界サッカーファンかの如き声援が教室の中にこだまする。そんな光景が今なら日本全国で見られるほど、ダンジョン配信は現代日本において人気を博しているのである。しかし、そんなダンジョンブームの真っただ中にあって、光と昂輝は毎日サッカーで遊んでいる。
では彼らはダンジョンなど目もくれぬほどサッカーが大好きなのだろうか? 否、ダンジョン配信に興味が無いだけである。昂輝はダンジョン探索者であった父を3年前モンスターの手によって亡くし、それ以来ダンジョンに嫌悪感を示すようになった。
一方光の方はというと、彼には人には言えぬ趣味があった。それは、「TS物の作品を鑑賞する」というものである。彼は小学校5年生の頃、兄に悪ふざけで勧められた、【転性したらJKだった件】というアニメを見て以降、TSという謎のジャンルの魅力に取りつかれてしまい(従来の性癖を壊されてしまい)、それ以来TSにゾッコンなのである!
『クラスメートには僕の特殊な性癖がバレないようにしなきゃな…。もしばれてしまったら、恥ずかしくて死ねる…。』
という具合に、二人ともダンジョン配信に興味が無いため、暇つぶしにサッカーをしているというわけだ。
そんないつもと変わらぬ日の下校時間、僕は昂輝と一緒に下校していた。
「なあ光、お前ってダンジョン配信興味ねーのな。」
「んー、まああんな血生臭いものを見るより、昂輝といる方が楽しいかな…。」
「そうか…。でもニオウとか見てたら、カッコいいとか思わないのかよ。」
「ニオウさんカッコいいよね、国内でも数少ない弩級探索者だし、実際彼のおかげで日本は国際的に高位の立場を得ていると言っても過言ではないよね。」
現在日本での探索者事情は、上位プレイヤー、中堅プレイヤー、零細プレイヤーに分かれている。その中でも上位プレイヤーはA級ダンジョンなどの高難易度ダンジョンを制覇し、国内の知名度や国、会社から貰える報酬、その他手に入らないものは無いと言われるほどの実力を持つ。中でもニオウは世界でも最も知名度の高いS級冒険者の一人である。
「あのな、もし俺の為にダンジョン配信そっちのけで付き合ってくれてるなら、無理しなくていいんだぜ?」
「そんな…、僕はそんなこと今まで思った事一度も無いよ? それに、僕はこう君のこと好きだよ?」
「は…? お前もしかしてそっちの気があるのかよ!」
「え、いやいや! ただの友達としてだよ!」
「だよな…。まあ、そう言ってくれると嬉しいぜ!」
趣味がバレたと思い、焦る光を他所目に感動する昂輝。そんなごくありふれた会話をしていた二人。
その時、突然昂輝の体に異変が現れた。全身が光に包まれ、光は魔素独特の圧迫感を感じた。
「こう君!体が光ってるよ!もしかしてそれって…!」
「なっ…!まさか、能力の発現か!? っておいひかる!お前もー!?」
「え!?僕? …うわっ!? ホントだ光ってるよ!」
二人の体が光に包まれ、今新たに二人の探索者が生まれようとしている。
これが後世に名を残す二人の探索者の誕生の瞬間であった。
いい意味でも悪い意味でも…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第一話、ご拝読頂きありがとうございます!
今作は筆者の初めての投稿となります!長年小説を書きたいという夢を見続けてきた筆者は、上手く書けるか心配になりつつも、この度意を決して投稿するに至りました!
筆者はご覧の通り、TS物が好きです。以前からこういったジャンルのものに挑戦してみたいと思っていたのです。
とはいえ、その根底にあるものは、手に汗握るアクションシーンといった大衆受けするものだったりするので、癖の強い作品じゃなくて、普通の作品が読みたい!という方も楽しめるように頑張っていきたいと思います!
公開頻度は週4くらいを目途に考えています!筆者は社会人1年目の新人ですが、割と仕事と休みの区別は付けられる仕事をしています。したがって、多少のスケジュール変更はあるかもしれませんが、なるべく読者の皆さんをお待たせしないように尽力します!
ちなみに、小説家のタマゴということで、多少の文章の違和感などはあると思います。何かあった際は、ぜひコメントをお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます