第5話 再生栽培の花形「パイナップル」
豆苗やら葱やらと、食卓に一品出せる程度の代物ではなく、できれば甘い物ができないだろうか。
前回の苺の再生栽培の時にはそんな風に考えておりました。
そんな折、スーパーで目にしたのが「台湾パイナップル」でした。
しかもカットしていない一玉丸ごとの。
聞いた事がある。
あの頭上のモヒカン部分、あれを植えれば、パイナップルは育つらしいという事を。
少し値は張りましたが、パイナップルを買い物かごにシュート。
有料化して貴重な貴重なビニール袋が破れるわ、手に棘は刺さるわ、実に大変な思いをして家に持って帰りました。
家族は芯まで甘く食べられる台湾パイナップルに目を輝かせていましたが、私の興味はそんなところにはありません。
そう、本来なら切り落とす頭上のツンツンとした葉の部分。
サイトなどでは捻って引っこ抜けとなっているのですが、大事な葉を傷めかねないし、そもそも手に棘が刺さって痛い。結局はいつものように実の頭部を切り落とす事にしました。
実の頭部と尻部を切り落とし、果肉を半分に割り、それをまた半分に割り、外皮に沿って包丁を入れ、果肉を一口大に切っていく。
芯まで甘いという触れ込みではあるのですが、かなりの繊維質でそこまで甘いわけでも無く、切り除いた方が断然食感は良かったですね。
さて、果肉を美味しくいただいた後は趣味のお時間です。
まず、葉っぱの下に円盤状に付いている余計な皮をむしっていきます。
これは葉っぱを持って皮を下に折るようにすれば簡単に剥がれます。
最終的にはツンツンとした葉っぱと、それを束ねるような茎が残ります。
この茎の部分だけを水を張った瓶に浸けるんです。
ただ、葉っぱの部分が意外と重量があるんですよ。なので小さな瓶だと風で倒れてしまいます。
だからと言ってカンピージャムのような大瓶だと葉っぱごとすっぽりなわけです。
私は偶々台所に『なめたけ』の瓶があったのでそれを使いましたが、丁度良いサイズの瓶探しが意外と難しいでしょうね。
最初はとにかく水が白く濁ります。
白い糸のようなものが漂うので、毎朝の水替えが欠かせません。
数日でその状態は緩和され、しばらくそのまま水に浸けておくと、下の茎の部分の周囲からにょろにょろと白い髭のような根が生えてきます。
私はこの時点でパイナップルができる姿を想像していました。
でも、パイナップル栽培の難関は実はここからだったんですよ。
まず、結論から先に言うと、初年度のパイナップルは大失敗に終わりました。
夏の間ツンツンの葉っぱは伸び放題に伸び、順調に育ったんです。
ところが、その後の秋の長雨。
葉っぱは先端から枯れて行き、ついには中央のこれから伸びようとする葉っぱが枯れてしまいました。
諦めて植木鉢をひっくり返してわかったんです。
原因は根腐れでした。
調べてみるとパイナップルというのは、サボテンのように葉に水をやり、極力水はけをよくしてやらないといけないのだそうです。
いつものようなプランターの土ではなく、赤土と鹿沼土を合わせるだけのような状態じゃないといけない。
途中まであんなに順調に行っていたのに。
諦めきれなかった私は、翌年、再度パイナップルの再生栽培にチャレンジいたしました。
結果的にはこれは上手くいきました。
秋口に同じように葉は枯れましたが、それでも中心部分は青々していて、何とか冬も越してくれたんです。
ただ、パイナップルは実が付くまでに三年かかるんだそうです。
二年目も何とか枯れながらも越冬に成功。
ですが、どうやら昨年の冬、パイナップルが越冬できるような温度じゃなかったようなんです。
今年の収穫を楽しみにしていたのですが、残念ながら枯れてしまいました。
ちなみに、同様にアボカドも枯れてしまいました。
でも、あと一歩な気がするんですよね。
もう一度チャレンジしてみようって思います。
ここまでで、なんとなくいくつかの課題が見えてきました。
次は何にチャレンジするか、次回をお楽しみに。
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