私は思いがけず富を手にした


しかし、私はぐにその富を手放した


周囲の人々が私に問いかける


なぜ自ら富を手放したのかと


私は答える


恐ろしかったからだと


私は富にとらわれ、堕落だらくしてきた人間を多く見てきた


過去に私が軽蔑けいべつしてきた人間たちだ


しかし、私の中にも彼らと同じ素質が潜んでいることに気が付いた


ゆえに、私は富を手放した


私は何度も自身に言い聞かせる


富とは独占するものではなく、共有するべきものであると


私は何度も自身に言い聞かせる


本当の富とは目に見えるものではないのだと

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