第4話
「おもしれぇ。俺もお前みたいな一年坊主に舐められたまんまじゃ終われねぇ、こい!」
マギレットがピーーーーッと戦いの合図を鳴らす。
マギレットを空中に放り投げると同時に駆け出した。ちなみにこの後マギレットは自分で異空間へ消えるという親切設計。
「おらぁっ!」
「ふぉあぐらぁぁぁあぁぁ!!!!!!!」
相変わらず面白い叫び声を上げながら吹き飛んで行った。
草むらに頭から突っ込んで埋まっていた。
ガサッと上体を起こす。
「なんてパワーだ。スキルの【騎士の誇り】が無ければ力尽きていたな。だが体制を建て直せば……」
「そんな隙を俺が与えると思ってんの?もちろん、追撃じゃぁぁぁ!!」
ドゴォォォォォォォォ!!!!
拳をジークの顔面にめり込ませた。
「ふぉあぐらぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
面白い叫び声をあげながらジークは顔面を土に埋めた。
そして、足は空に向かってピーンと伸びている。
ピーーーーッ!!!!!とけたたましい音が鳴ってマギレットが手元に帰ってきた。
『勝負あり。これ以上の追撃は認めません』
マギレットの画面が光を放ち、ランキングが更新される。
【ランキング更新】
エリオット・ノアール
旧順位:第29563位 → 新順位:第100位(《ダイヤ》ランクへ一気にジャンプアップ!)
ジーク
旧順位:第100位 → 新順位:第29563位(《ブロンズ》ランクに転落)
「う、嘘だろ。エリートまっしぐらの【剣学部】【魔剣科】の俺が……」
「黙らっしゃい。あっ、ダイヤランクごちっすw」
「くそうっ!俺の食事券が!」
ジークはその場に大の字になって寝転んだ。
「まさか、負けるとは思わなかった……だが不思議と……」
スタスタと俺は歩き出した。
「おい!余韻を無駄にするな?!先輩の話くらい聞いていけぇぇぇぇぇ!!!」
そんな叫び声がコダマしていたが俺は知らん。
もうお前は用済みなんですぅ。
◇
俺は自分のクラスまでやってきた。
クラスに入るなり浮き足立ったような雰囲気に包まれた。
「とりあえずシルバー目指してぇなぁ」
「そんなんでいいのかよ、俺はゴールド目指すぜ」
ゼムの演説が聞いたのか。みんな各々の目標を語り合っていた。そんな空気のクラスをすいすいっと抜けて黒板の方へ。
黒板に席順が張り出されている。
自分の名前を見つけてから自分の席へ向かう。
隣の席の女が話しかけてきた。
「あっ、隣なんだね。エリオットさん」
それはさっき入学式で隣にいた女の子だった。
てか、俺名乗ったっけ?あ、前の座席表見たのか?マメな子だな。
「ところで気付いたら体育館にいなかったしどこ行ってたの?」
「ちょっとね」
「心配したんだよ?だってさ、入学初日だし、説明とか聞いてなかったら困らない?」
(なんで初対面の俺の事こんなに心配してんだこの人は)
「あ、でも安心してね。私ちゃんとメモ取っといたから、後で一緒に見ようよ」
「おけおけ」
「あ、そういえば名前言うの忘れてたね。私ユーフィリアって言うの。よろしくね」
「なら愛称はユフィってとこ?」
「え?愛称?」
「あだ名だよ。そういうところでしょ?」
「そうなの?私あだ名で呼ばれたことないから分かんないや。その、友達とかいなかったから」
あー、ね。
俺たちがそうして話しているときだった。
ガラッと扉が開き先生が中に入ってきた。
長い金髪を靡かせてつかつかと歩いてくる。
そして壇上に立つと、こう言った。
「皆様ごきげんよう。今日からあなたたちの担任になるミランダ・グレイローズでしてよ」
(まるで、お嬢様系のキャラだが、先生なんだな)
ミランダ先生は、壇上でにっこりと微笑んだ。
「このクラス、回復科1年H組の担任を務めさせていただきます。分からないことがあれば何でもお訊ねくださいませ。ただし、授業中に寝るのだけは……許しませんわ♡」
にっこりした笑みの裏に、謎の圧を感じたのは気のせいじゃない。
「それでは皆様、お手元のマギレットを起動してくださいますか。そこに本日の日程と座席表が表示されておりますので」
俺の机に置いていたマギレットがピコッと光り出し、勝手に浮かび上がった。
◇ 09:00 - 入学式(第四体育館)
◇ 10:30 - マギレット操作説明&初期設定
◇ 11:00 - クラス別自己紹介&席決め
◇ 12:00 - 昼休み
◇ 13:00 - 体力測定&スキル簡易診断(第一訓練場)
◇ 15:00 - 学内ランキング制度についての説明会(学園ホール)
◇ 16:00 - 任意:フリー対戦エリア開放(東訓練場)
◇ 18:00 - 解散&寮移動(もしくは仮住居案内)
(基本は初日って感じだな。んで、今からやるのがこのマギレットの操作説明、と)
そのときだった。
『緊急速報!緊急速報!!!』
学校内にあったマイクから音が鳴っていた。
いきなり鳴ったのでビックリしたが、なにが緊急なのだろう?
『つい先程ダイヤランクのジークさんがブロンズまで落とされた模様!!』
「って、はぁぁぁぁぁあぁぁぁ?!!プロンズゥゥゥゥゥゥ?!!!」
一番驚いていたのはミランダ先生だった。
「ありえないわよ!ダイヤからブロンズって、だいたいブロンズなんて該当者一年生ばっかでしょ?!なんで入学式終わった直後に?!いったい誰が?!」
『これにて緊急速報を終わります!』
ミランダ先生は俺たちを見ていた。
「ちなみにダイヤ以上からは順位が入れ替わりが発生したら落とされた方は今みたいに公開処刑されるわ。皆さん心して励むように」
そのときユフィが俺の方を見ていることに気付いた。
「すごいですね。一年生の間からダイヤランクだなんて誰なんでしょうね」
「さぁ?」
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