恋も憎しみも、国家に禁止された
- ★★★ Excellent!!!
恋愛は、違法な「麻薬」とされた。
感情も才能も、努力さえも、機能として「後から付け足せる」時代。
少年と少女が出会ったのは、情報で分類され、性能で測られる学園都市。
そこは、人間の「感情」が最も危険なウイルスとされる時代の防壁だった。
少年は少女の傷に口づけ、少女は微笑んだ。
ふたりの間に芽生えた何かは、すでに国家が禁止した感情のひとつだった。
だが、その禁忌の絆は、やがて国家の境界線を超えていく。
兄弟の嫉妬、暴走する人格、異形の感染者「エコー」、そして始まりゆく世界戦争。
彼らの「過去」が、今の戦火の引き金だったと、まだ誰も知らない。
これは、感情をチューニングできる未来における、想いと本能の物語。