赤い女について
@chin0735
第1話 ある報告書
【東京都警察庁】事件捜査報告書
案件番号:第2024-██-██号
作成日:2024年██月██日
担当課:生活安全部 特殊事件対策課
担当捜査官:警視 ███ ███
1. 概要
2024年██月██日、福岡県██市内の美容整形クリニック「████クリニック」において、整形手術を受けた患者複数名が顔面に激しい裂傷を負う事件が発生した。初期対応においては医療過誤の可能性が疑われたが、その後の捜査で不審者の関与が示唆された。
2. 被害状況
被害者は計██名、全員成人女性であり、いずれも同院にて「整形手術」を受けていた。
主な被害事例:
被害者A(職業:モデル、28歳)
術後病室内の鏡で自らの口元が耳元まで裂けているのを確認。裂傷は深く、外科的縫合が困難であった。傷は鋭利な刃物で切断されたような状態であり、手術痕とは一致しない。
被害者Bほか
同様の裂傷を確認。全員に共通して「裂傷が鮮やかな赤色を帯びている」「通常の外傷とは異質」との医療関係者所見がある。
3. 証言・目撃情報
被害者A 証言:
「術後、意識が朦朧とする中で鏡の自分の顔が歪み、口元が赤く染まっていった。鏡の中に見知らぬ赤いドレスの女が見えた。」との証言あり。
監視カメラ記録:
事件発生当夜、クリニック廊下を徘徊する赤い服を着た女の映像を複数確認。顔は常に映像がぼやけ、個人の特定には至っていない。
4. 捜査経過
院内調査において、地下保管庫から当クリニック創設者 ████医師の古い研究資料と遺品を発見。
遺品の中に、重度の醜形恐怖症顔面で整形手術を繰り返し自殺に至った女性(記録上の名前:████)の私物である赤い口紅が保管されていた。
5. 結論・措置
本事案は、通常の刑事事件としての立証は困難と判断。
クリニックは自主閉鎖。被害者及び関係者への精神的ケア(医療機関・専門機関協力による心理的対応)を実施。
証拠物品(赤い口紅)は(機密指定)にて厳重保管。
添付資料
被害者リスト(別紙)
監視カメラ映像静止画(別紙)
院内見取り図(別紙)
備考:
本件は異常事象が関与した可能性を排除できない特殊事案として、記録を永久保存扱いとする。
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