ナチュラル・ハイという言葉が不穏な響きで全体を覆っているように感じる作品群。変わらないものへの憧憬と変わるものへの希望、叶わない願い、不条理、色んなエッセンスが柔らかい表現で描かれた歌に込められています。残酷なナチュラル・ハイの世界で救いを見出だせるものは何か。いつか目覚めるときが来るのか、そんなことを考えさせられました。
日常に溢れる情景を切り取っているはずのに、何度も口ずさみたくなってしまうような中毒性があります。短歌に詳しくない方でも、この連作短歌のすごさは肌で感じられるはず。不穏さ、優しさ、妖しさが入り混じった、魅惑的な世界へ参りませんか?