現代日本を思わせる構図とディストピア要素の融合

こういう料理の仕方もあるのか、と唸った。
怒りの銃口から始まる物語が、三部構成で“未来への祈り”に昇華していく。
熱さ、構造、感情すべてがきちんと噛み合っていて、読後に残る余韻が深い。
特に中盤で訪れるある転機(ネタバレ自粛)は、感情と構図を一気に反転させてくれる。
“届かないはずの声”をどうしても届けようとするラストは、まさに胸を撃つ。
これは撃つ物語ではなく、託す物語だ。
復讐の先に何があるのか。誰かに託すとはどういうことか。
その答えが、ここにある。

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