第36話  原因って? (1)



「ユウはハブられていたんだ」


 ハブられる...って、仲間はずれにされていたってことだよね? あの優しいユウちゃんがなんで?


「渡辺さんのような大人しい人がハブりの対象になった理由とか、出来事とかないのか?」


 言葉を選ぶように将太くんに慎重に聞く光瑠、ナイス! 私もそこが気になっていたよ!


 光瑠の言葉に将太くんは躊躇するように口を開けたり、閉じたりを繰り返していた。どうしたんだろう?


「な、何か言いにくいことがあるの?」


 そんな将太くんの様子を不思議そうに見ていた小春が首を傾げて聞いた。将太くんは「まぁ」とだけ言って、考え事をするように黙り込んでしまった。


 しばらく聞きづらい空気が続いていたものだったから、私たちは皿に載っているスイカを全て平らげた。食べ終わった時に将太くんは真剣な表情をして言った。


「ユウがハブられることになった原因は、主に容姿とまぁ......恋愛絡みで」


 恋愛!? 小学生で!?


 あ、でも思春期って自我が芽生える時期だし、恋バナとか、恋の一つ二つはあるもんか。


「もしかして......そのこともあって、ユウちゃんに告白することが難しいってこと?」


 将太くんに恐る恐る聞くと、「まあ、そんな感じ」と言われた。


「ユウは元から可愛くて......いや、その俺の主観の話ではなくて、女子の何人かも可愛いって言ってたし、それでまあよくある話だけど、ユウと仲が良かった奴がいて」


 おっと? もしかして、この流れって...?


「ソイツが好きな男子に告白したもののフラれてしまって。で、振った理由が『渡辺さんがタイプだから』らしくて」


「そ、そのことが原因でその仲よかった子と揉めたってこと?」


 小春の言葉に将太くんは小さくため息をついた。


「それだけならまだ良かったんだけどな」


 まだ何かあるの?

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