第33話 意外な関係性...!!
意を決したように将太くんは顔を上げると、静かな口調で光瑠の「告白するのか?」という質問に答えてた。
「するさ。いつかは決めてないけど」
「そうか。まあ、後悔のないようにした方がいいぞ」
小春も、朝日も驚いたように光瑠を見ていた。分かる、分かるよ。あの光瑠が、あの好きな人にストーカーしかねない光瑠が、まともなことを言っていることに驚くよね!
もちろん、私もびっくりして光瑠を見た。
「なんか......珍しいね。光瑠がそんなことを言うの」
「そうか? 現に僕はちゃんと思いを小春さんに伝えたじゃないか」
ああ、そういうこと? あれ、告白したことに入るの?
「あれ、告白に入るんだ」
渋い顔で朝日が小声で呟いた。その様子を光瑠は気にする様子もなく、麺を啜った。
当の将太くんは眉をひそめて光瑠を見ていた。なんなら、その表情は完全に引いている顔だった。
「前に話した(8話参照)小春さんって、ここに小春さんか? マジか、よくそんなことがあったにも関わらず、このキャンプに参加しようと思ったな」
私もそう思うよ。.........といっても、光瑠をキャンプに呼んだのは私だけど。
※誤解がないようにいっておくけど、小春も行くと言ったら、興味なさげだった光瑠が行くって言い出しただけだよ?
小春は将太くんに気になっていたことを聞いていた。
「そ、そういえば、将太くんって朝日くんだけを先輩付けて呼んでいるけど、どうして? 二人とも知り合い?」
小春の言葉に将太くんは驚いたように、肩をビクッとさせた。唐揚げにレモンをかけていた朝日が、将太くんの代わりに小春の質問に答えた。
「あー、小学校の頃に地域のサッカークラブで、一緒のチームに所属していた時があって、そこからずっと先輩と後輩の関係だよ。いやー、まさかとは思ったけど、将太くんがこのキャンプに参加しているとは思わなかったよ」
「ええええ!!?? 将太くんと朝日って、小学校の頃からの知り合いなの!?」
私の言葉に朝日は悪い笑みを浮かべた。
「そうそう! うわぁ、懐かしいなぁ。よく将太くんと恋バナしてたっけ?」
悪い笑みの正体を知った私は身震いした。あ、朝日はこの状況と将太くんの反応を見て、楽しんでる。なんて悪いやつだ...!!
頑張って将太くん!!! こんな悪魔を具現化したやつに負けないで!!
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