第27話  え! 今!?



「え、光瑠......本当に何をしてるの?」


「だから、お湯を沸かしていると言っているだろう? 何が言いたいんだ」


 ただいま朝日がユウちゃんに謝ったところなんだけど......将太くんが朝日くんに対して、キレかけているところです。


 台所から音がしたものだから、見てみるとケトルを手にしている光瑠と目が合った。


 光瑠はさっき選んだカップラーメンにお湯を注ぎ始めた。


「どうして?」


「どうして、とは?」


 光瑠は「何が言いたいんだ?」とでも言うように、眉をひそめた。もしかして、光瑠はこの状況に気づいてないのかな?


 だからといって、将太くんの前でバカ正直に説明すると、将太くんの反感を買う気がする。なんといえば......いいのか。


 私が言葉に迷っていると、誰かのお腹が鳴り始めた。


グルグルグルグル


 静かにしていたものだから、全体にその音が聞こえた。ユウちゃんの方から聞こえたような...?


「ユウちゃ......」


「あー、わりぃ。腹が減ったから、俺も晩御飯の準備をするわ」


 将太くんはそう言って、光瑠がいる台所に向かった。ユウちゃんは顔を真っ赤にさせて、下を向いていた。


「わ、私も準備しようかなぁ。ユウちゃんも、霞の分も用意してくるね。朝日も行こう! 二人はそこで待ってて!」


 小春もそう言って、朝日を連れていった。ソファのところには私とユウちゃんが取り残された。ユウちゃんは下を向いて、小さく呟いた言葉を私は聞き逃さなかった。


「やっぱり、好きだなあ」


 ユウちゃんの言葉を聞いて、理解した。ああ、ユウちゃんって将太くんのことが好きなんだ。

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