第26話 え、今!?
朝日は満面の笑みを浮かべて、ドヤ顔で言い放った。空気が静まる中、横目でチラッと将太くんを見ると、とても険しい顔をしていた。
将太くんが朝日に怒鳴らないうちに、朝日に謝ることを伝えた方がよさそう......
「朝日、いったんユウちゃんと将太くんに謝っておくべきだよ」
私の言葉に朝日が首を傾げた。
「なんで?」
将太くんが口を開こうとして、小春も将太くんの殺気を感じて、朝日に静かな口調で告げた。
「あ、朝日......実は、ユウちゃんが怖いの苦手だったみたいで、今回のサプライズが怖すぎて倒れてしまったんだって、だから......一言でもいいから謝った方がいいと思う」
小春の「倒れる」というワードを聞いて、朝日の顔が強張った。
「そう......なんだ。それは、本当にごめん」
朝日はそう言うと、しゅんとして、将太くんとユウちゃんに向かって一礼した。
ユウちゃんは慌てた様子だったけど、将太くんはまだ納得のいっていない顔をしていた。
「か、顔を上げてください! 私はもう大丈夫ですので...」
「ごめん」
空気が悪いなぁ。どうしたらいいんだろう?
そんなことを思っていると、台所の方からカチッという音が聞こえた。
音のした方を見ると、光瑠が給湯器を持っていた。光瑠!? 何をしているの!?
そう思っているのは私だけじゃなかった見たい。私が台所の方を見て固まっていると、私よりも前の方にいた将太くんが同じように台所を見て硬直した。
そして呆れた声で光瑠に声をかけた。
「何やってんの?」
「え、お湯を沸かしてる」
それは見たら分かるわよ! 将太くんが聞きたいのは、そういうことではないはず。むしろなんでこの状況で??? っていう意味で聞いたはずだよ。
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