第22話  いつになったら電気がつくの!?



「それがキッカケかな」


 将太くんはそう言って顔を上げた。その顔にはもう恥ずかしさで真っ赤にさせている顔じゃなくなっていた。むしろ、凛々しく前を見据えるような顔つきだった。


「へー、じゃあ将太くんの一目惚れなんだね」


「そう」


 私が将太くんに聞くと、将太くんは狼狽えることなく、はっきりと肯定した。


 光瑠を横目で見ると、どことなく不満な顔をしていた。どうしたんだろう?


 そんなことを思っていると、光瑠がぽつりと呟いた。


「僕とそんなに変わりはないじゃないか」


 いや、光瑠......あなたの場合は、犯罪になるから全く違うね! それに将太くんのピュアッピュアな想いと一緒にしないで!


「光瑠は覗き見だから犯罪でしょ! 覗き見と一目惚れって全然、違うんだから!」


「そうか? あまり変わらない気がするが......」


「そんなものと同類にすんなよ!! っていうか、柴垣って犯罪者予備軍なのか!? 高校生で覗き見って、将来が不安になるんだけど」


 将太くんまで光瑠の言葉にツッコミを入れ始めてるし......そろそろ犯罪って認めた方がいいのでは...?


 ってこんなことをしてる場合じゃない!!


「っていうかどうする? 得体の知れない何者かにドアを開けてもらうか、自力で開けるかどうする?」


 ずっとこうしてる訳にはいかないし、何よりも電気が消えっぱなしが一番まずい気がする。早く電気を普及させたい。


「もう頼むしかない気がしてきたな、柴垣はどうだ?」


「僕もそう思うが、仮に泥棒だった場合はどうするつもりだ?」


 泥棒だった場合、命の危険があるよね......


「うーん、確かに......一旦、近くにあるもので戦ってみる?」


 武器になりそうなものは、フライパンとかフライパン返しかな? 包丁は使っちゃうと殺人になりかねないし、危ないからね。あとはテレビのリモコンとか?


 最悪の場合は将太くんに頼めばいいかな。喧嘩、強そうだしなんとかなりそう。


 私の提案に将太くんと光瑠が同調した。


「確かにそうだな...じゃあ、そうするか」


「その方が良さそうだな」


 おおー!!!


 話がまとまってきたんじゃない!?


 じゃあ、早速ドアの前にいる人(?)に声をかけようかn......


ドンドンドンドン


「ぎゃああ!!! 何!? 急になにが起きたの!?」


「うわわああおおおお!!!! か、霞! 急に叫ぶでない! 誰かがドアを叩いただけだろ!!」


「うわ、お前ら耳元で叫ぶなよ!」


 お願いだから、急にドアを叩かないでええ!!

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