第20話 も、ももも、もしかして!?
「え、本当に付き合ってないのか?」
私が光瑠ともう一度ハモったのを聞いて、将太くんが眉をひそめた。将太くんの言葉を聞いて、光瑠が不満そうに反論した。
「どこをどう見たら、そんな意見が出てくるのだ。眼科に行くことを薦めるぞ」
光瑠の言葉に将太くんも負けじと反論した。
「は? 目はメガネかけてるお前より正常だわ! 眼科に行くべきなのはお前だな」
まあ、それは確かにそうだね。光瑠は結構、視力が下がったって言うわりには、眼科に行ってないし、本当に一度でもいいから診断を受けてみるべきだと思うよ。
「なんだと!? そんなことを言うなら、君も同じじゃないか!」
「同じって?」
「君こそ渡辺さんと交際をしているんじゃないか? 現に君はさっきから渡辺さんの手を握っているじゃないか!!」
ええええ!!! 嘘? 本当に?
光瑠の言葉に将太くんの手元を見ると、しっかりとユウちゃんの手を握っていた。
それにしても光瑠がそんな話に踏み込むなんて! さあ、将太くんはなんて答えるかな??
将太くんは下を向いて小声で言った。
「いや、別に付き合ってねえけど...」
付き合ってないけど...!? 付き合ってないけど、何!?
私が二人の会話に注目していると、光瑠がさらに踏み込んだ。
「付き合ってないけど、なんだ?」
「いや......その.........好き、かもしれない」
ぎゃああああああ! めっちゃギャップ萌え! なんでそんな乙女チックに言うの!? 可愛い!! 推せる!!
懐中電灯の光が当たって、将太くんの顔が真っ赤になっているのが見えた。それを見た光瑠がニヤニヤした顔で言った。
「へー、そうなのか。どこがいいんだ?」
「どこって......可愛い笑顔でフワッと笑うところとか?」
いやああ! 可愛いすぎる!! なんて可愛い後輩なの!?
私も聞きたいことがあったから、このノリにのって将太くんに聞いた。
「いつから!? いつから好きなの?」
将太くんはチラッとソファに倒れ込んでいるユウちゃんを見た。
「話すと長くなるぞ」
「大丈夫! めっちゃ気になるし、聞きたい」
「僕もこれからの恋などにも、参考程度に聞きたいね」
それから将太くんが下を向いて、耳まで真っ赤にさせて、ユウちゃんを好きになったきっかけを教えてくれた。
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