第17話 お、お化けえええ!!!
「ひぃ、ぎゃあああああ!」
無理! 幽霊とか、お化けが嫌いになりそう!! っていうか、振り返りたくない! 怖すぎる!
「か、霞先輩!? お、落ち着いてください!」
叫び声を上げる私とは違って、さっきまでビクビクしていたユウちゃんが私を宥めた。深呼吸をしてユウちゃんに恐る恐る問いかけた。
「な、なに?」
「将太くんです。ゆ、幽霊とか、お化けじゃないです」
ユウちゃんに言われて背後を振り返ると、そこには将太くんが立っていた。
「声をかけただけじゃねえか。どうしてそんなに驚いてんだよ?」
「だ、だだだ、だって! 今、係の人と将太くんがバスでしてた噂話をしていたところだったし...」
私の言葉に将太くんはゲラゲラと笑った。
「あれはただの噂話だろ? 本当に幽霊がいるわけないし......それよりもユウ、大丈夫か?」
そ、そうだよね、いるわけないよね。将太くんの言葉に安堵して、ユウちゃんを見た。暗いから表情は分からないけど、きっと顔を真っ赤にして将太くんを見つめてるはず。わあ、初々しいなあ! 見てて微笑ましい。といっても、暗いから見えないけど...
「次は灯りを探さないといけないね。懐中電灯とかないかな?」
「懐中電灯か......その辺に一個あった気がするぞ」
「なるほど、じゃあ探すか...」
ソファが置いてあるところまで、なんとか戻ると光瑠に声をかけられた。
「懐中電灯なら、あったぞ」
「あ、本当? よかった...っぎゃあああ!」
光瑠の方を振り向くと、光瑠が懐中電灯の灯りをつけて自分の顔に光を当てていた。
その姿はまさに、肝試しで怖い話をする時のアレ。やめてよ! 心臓に悪いでしょ!
私の声に将太くんも反応した。
「柴田、何やってんの? っていうか、やめろよ。誰かが怖すぎて気絶したら、シャレにならねーだろ」
そうだよ! もし、誰かが気絶......あれ? そういえばさっきから、私の服を掴んでいたユウちゃんの姿がないような...
ふと足元を見ると、ソファに倒れているユウちゃんの姿が......!
「ユウちゃん......?」
私の言葉に将太くんも私の足元を見た。そして、悲鳴を上げるようにユウちゃんに駆け寄った。
「ユウ!」
コレは百パーセント、光瑠が悪いね。
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