第16話  情報を整理しよう!

 次は何をするべき? あ、そうだ! 主催者側に電話しないと!


 私はユウちゃんに動けるかと聞くと、小声で「うん」と言っていたから、受話器の方へと向かおうとした。すると、将太くんに聞かれた。


「あの...! 霞先輩! ユウは大丈夫ですか?」


「大丈夫かと言われれば、大丈夫じゃないかも...怖くて手もすごく震えてるし......」


「そ、そうっすか。わかりました」


 ヤバい、将太くんめっちゃ優男じゃない!? こんな時に自分のことよりもユウちゃんのことを心配してるなんて、お母さん泣いちゃう!


 電車ごっこの様に受話器が置いてある机にたどり着いた。目も少し慣れてきた。微かに見える番号を慌てずにゆっくりと押した。


 いやー、やっぱりこういう時に役立つんだよね、五番の凸が。えっと、番号は三、六、二か。


プルルルル プルルルル プツ


『はい、こちら“夏を楽しめ! ドキドキ! ワクワク! サマーキャンプ!!”の説明をザックリしました西野と申します。何かございましたでしょうか?』


 何かございましたじゃねえよ! と思いつつ、電話に出た西野さんに事情を説明した。


「実は停電になってしまって......ブレーカーってどこにありますか?」


『停電ですか? おかしいですね。こちらのパネルには電気が付いてるって表示されてますし......』


 西野さんの話によると、電気が付いているか確認ができるパネルがフロントにあるみたい。でも、私たちがいるコテージは本当に停電している。


『.........そうですね、実はここのコテージはブレーカーが外に付いていまして......しかも、今は雨ですし、外で作業するのは難しそうです。なので、電気が点くまで待っていただいた方が良いかと思います』


 そ、そんなぁ! みんなでご飯食べたり、トランプしたかったのに......残念だなぁ。


 西野さんに礼を言って電話を切ろうとすると、西野さんから『あと、余談だけど』と話し始めた。


『そこのコテージ、前から曰く付きっていうか......出るんだよね』


「出るってまさか?」


『そう! 幽霊でてるって噂があるし、目撃情報も......』


 西野さんが話している途中に電話が前触れもなく途切れた。隣にいるユウちゃんも怯えている。ユウちゃんに声をかけようとした時、背後から低い男性の声が聞こえた。


「おい」


 実は私も暗いところ苦手なんだよね。何も警戒していなかった私は叫び声を上げた。


「ひぃ、ぎゃあああああ!」

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