第13話 晩御飯を選ぼう!!
リビングのドアを開けると、光瑠が仏頂面で仁王立ちしていた。
「遅い! もう少し早く降りられないのか?」
「ゆっくり降りてもいいじゃない! それに階段を早く降りようとしたら、危ないでしょ! 靴下で床が滑るし」
私に言葉に光瑠は、口に手を当てて考え込んだ後、静かな口調で言った。
「確かにそれはそうだな。とりあえず、今日の晩飯を選んでくれ」
光瑠の言葉にユウちゃんは首を傾げた。
「い、いつものキャンプだと、晩ご飯は出ないはずです」
「「え?」」
ユウちゃんの言葉に光瑠とハモった。その時、風呂場の方のドアが開いた。
将太くんが髪をタオルで拭きながら出てきた。もしかして風呂上がりかな?
「ん? お前ら何やってんの?」
「ねえ、ねえ! 将太くんとユウちゃんって去年もこのキャンプに参加した?」
私の質問に将太くんは上を見た後、机の上のものを見て、驚いたように言った。
「ああ、そうだけど......今日って、晩メシが出る感じ?」
将太くんの問いに光瑠が答えた。
「そうみたいだな。ちなみにこのご飯はさっきの案内係から受け取ったものだから、まずいものは入ってないはずだ」
「じゃあ、安心して食べれるね! 私はキツネうどんにしようかな!」
「わ、私はそうめんにします」
私たちが選ぶと、光瑠と将太くんもそれぞれ無言で晩ご飯を選んだ。
「じゃあ、光瑠。先に風呂入ってきなよ」
「いいのか? では、遠慮なくいかせてもらうぞ」
光瑠は部屋に戻って、ナップサックを持って広場へと消えていった。将太くんは、スマホを持って和室に入った。
リビングには、再び小さな沈黙が訪れた。
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