第12話  いざ、二階へ!!

 階段を登ると、そこにはベッドが二個あった。二階も結構、広いなー!


「ユウちゃんはどっちのベッドがいい?」


「えっと、手前のベッドがいいです」


「手前ね、じゃあ私は奥かなぁ。よし、トウ!」


 私は思いっきりベッドにダイブした。家だと親にうるさい! って言われてできないんだよね。それにしても、このベッドふっかふかだなー! あー、家に一個ほしいかも!


「霞先輩! だ、大丈夫ですか?」


「え? うん、平気だよー! それよりもユウちゃんもベッド触ってみて、すっごくふかふかだから!」


 私がそう言うと、ユウちゃんはベッドに座った。


「た、確かにふわふわですね」


「お! 将太くん、ちゃんと荷物おいてくれたんだ! 赤いバッグはユウちゃんの?」


「えっと、はい。そうです。ありがとうございます」


 私は赤いバッグを持って、ユウちゃんに手渡した。ユウちゃんがお礼を言ったのと同時に足元を見た。


 ん? なんだこれ?


「この濃い青い色のバッグは、ユウちゃんの?」


「え? いいえ、違います」


「将太くんかな?」


 私がそう言うと、ユウちゃんは首を横に振った。


「いいえ、違います。しょ、将太くんは大きくて黒いカバンを持ってきていたので」


 じゃあ、これは誰のカバンだろう?


 そう思っていると、下の階にいる光瑠に呼ばれた。


「夕飯が届いたみたいだから、選んでほしいのだが...霞と渡辺さんも一度、降りてきてくれないか?」


 光瑠に「わかったー!」と、大きな声で返事をして、バッグからパジャマを取り出していたユウちゃんに声をかけた。


「ユウちゃん、晩御飯が届いたみたいだから、選んでほしいって光瑠が言ってるから、一旦降りよう!」


「はい、わかりました」


 ユウちゃんが返事して、一緒に階段を降りた。あの時、もう少し部屋を確認しておくべきだったよ。

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