第11話  ガールズトーク(1)


 雨の音が聞こえる。そして、すっごく静か! なんか緊張する!


 どうしよう、なんか会話をしないと!!


「ユウちゃん、その...大丈夫?」


「えっと、何がですか?」


 そうだよね。どうしよう、何を言えば...


 あ、そういえば、少し気になることがあったんだ。


「さっきバスから降りる時に、ちょっと怯えているように見えたから、気になっちゃって...」


 私の言葉にユウちゃんは驚いたように目を見開いた。ユウちゃんは恥ずかしそうに俯いて、ボソボソと話し始めた。


「その.........しょ、将太くんのしてたお化けの話がこ、怖くなってしまって」


 そうなの? もしかしてユウちゃんって...


「ユウちゃんって、お化けが怖かったりする?」


 私がそう聞くと、ユウちゃんは困ったようにヘラッと笑って、指を頬でかいた。


「お恥ずかしながら、はい。私、お化けが怖くて、つい怖くてブルブル震えてしまって」


 おおー!! やっと小春と違うところがあった!!


 小春はお化け怖くないって言ってたし(むしろ、お化けと仲良くなりたいって言ってた)


「そっか。でも、噂って9割は嘘だから、大丈夫だよ!」


「そ、そうですか?」


「うん、そうだよ! それと、一個だけ気になったんだけど」


「なんでしょうか?」


 聞く? いや、でも.......気になるしなぁ。


「ユウちゃんって、将太くんのこと好きだったりするの?」


 私がそう言うと、ユウちゃんは顔を真っ赤にさせた。


「え!? いや、べ、別にそういうのでは......あ! き、嫌いって言ってるわけではないんですよ! その、なんというか......」


 真っ赤になって焦っているってことは、もしかして...? でも、これ以上このことについて詮索するのは良くないよね...


「言いたくなかったら、言わなくてもいいよ! それよりも2階、見に行かない?」


 私はそう言って、ソファから立ち上がった。ユウちゃんも慌てて立ち上がった。そして、気合いを入れるように頬を少し叩いた後に、満面の笑みを浮かべた。


「はい! 行きましょう!」


 リビングを後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る