第10話  いざ、コテージへ!!

 案内係の人が将太くんにコテージの鍵を渡している間に、私たちは傘を広げる準備をした。


 外は相変わらずの土砂降りだった。降ってくる雨粒が強く地面に打ちつけられるように降っている。来た時は晴天だったのに、残念。


 でもコテージに入ったことがないから、ワクワクする!!


 歩いて2分ほどのところに私たちが泊まるコテージについた。コテージの玄関前には屋根があるから、その下で傘を畳んで、傘立てに傘を立てた。


「開けるぞ」


 将太くんはそう言って、ドアを開けた。コテージの中を見て、私たちは声を上げた。


「うわあ! ひろーい!!」


「すっげぇ!」


「コ、コテージって広いんですね」


「悪くはない」


 コテージの中は広々とした空間が広がっていた。天井も高くて、リビングも広い。奥にはキッチンがあって、備え付けの冷蔵庫もあった。


 リビングにはソファが2個あって、テレビも置いてある。


 あとは階段があって、二階もあるみたい! すごい楽しみになってきた!!


 靴を脱いで一旦、ソファに座った。


「すごいね、ここ」


 上を見上げていると、隣に将太くんが座った。


「すっげぇ、木材の匂いがする」


 将太くんの隣にユウちゃんも座った。


「へ、部屋割りって、どうしますか? 一応、玄関の隣に部屋があるみたいですが...」


 ユウちゃんがそう言うと、光瑠がユウちゃんの言っている部屋のドアを開けた。


「僕はここを使う! 絶対にここだ!」


 光瑠の方を見ると、すごくキラキラした目でこっちを見ていた。部屋の奥を見ると、畳が敷いてある。ってことは、和室か。


 光瑠って洋室よりも和室派だからなぁ。納得がいくけど、将太くんはどうだろう? チラッと将太くんを見ると、ゲッソリとした顔をしていた。


 まずいんじゃない?


「えっと、将太くん...」


 声をかけるよりも先に将太くんが、隣にいるユウちゃんに何かを耳打ちした。ユウちゃんは驚きつつも、少し頬を染めて頷いた。


「そこでいいよ! じゃあ、女子は2階を使ってください。荷物を運んでおきます」


 将太くんはそう言ってリビングを後にした。リビングには、私と頬を紅く染めているユウちゃんだけが残っていた。

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